研究課題/領域番号 |
01550710
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
腰原 伸也 東京大学, 理学部, 助手 (10192056)
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研究分担者 |
武田 研爾 日本合成ゴム, 筑波研究所, 主任研究員 (50011028)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 共役ポリマ- / ポリジアセチレン / 配向蒸着膜 / ポリマ-単結晶 / 色相転移 / 水素結合 / コンフォ-メ-ション転移 / 非線形感受率 |
研究概要 |
本研究の目的は、特異な光電物性を有し非線形光学材料として、又、色相転移を用いた記録材料として有望視されている共役ポリマ-ポリジアセチレン(RC-C=C-CR')の形状制御、及びその為に最適なマノマ-を探索することである。本研究ではアルキルウレタン基(R:(CH_2)_mOCONH(CH_2)_<N-1>CH_3)を持った一連のポリジアセチレンを合成し、配向蒸着薄膜を作製するための最適条件の決定、単結晶の作製並びに得られたポリマ-の物性測定を行なった。まず配向蒸着膜の作製については、m=n=4のものが最適であり、ラビング法によって約30:1の高配向比を持つポリマ-薄膜が得られる事が明かとなった。得られた試料の3次の非線形感受率は、第3高調波発生法から3×10^<-10>esuという大きな値が得られた。次に単結晶の作製については、m=1,n=1-10のものについて成功し、特にn=2-5のものは数mm角のマクロサイズ結晶を作製することが可能となった。ポリマ-の単結晶作製は一般に困難であり、この点が様々な物性測定を行なう上での大きな支障となっていたが、本研究によって得られた単結晶、特にn=2-5のものはX線回析法による構造解析もある程度可能な程度に良質であり、これを用いた物性測定から水素結合系ポリジアセチレンの色相転移について以下の三つの重要な知見を得ることができた。それは、(1)ポリジアセチレンm=4,n=1-10の単結晶は、蒸着薄膜とは異なって、全て可逆な温度誘起色相転移を示す、(2)従来色相転移と同時に切断すると考えられていた側鎖間水素結合は融点まで保持されている、(3)色相転移と共に側鎖のアルキル基がコンフォメ-ション転移を起こしている、という3点である。これは今後可逆色相転移を示すポリジアセチレンを合成して行く上で重要な指針を与えており、高配向蒸着膜作製の成功と共に本研究の重要な成果である。
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