研究課題/領域番号 |
01550723
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
久保田 徳昭 岩手大学, 工学部, 教授 (90003863)
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研究分担者 |
清水 健司 岩手大学, 工学部, 助教授 (10003881)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 結晶成長 / クロム錯体 / 溶解度 / クロム(III) / 結晶の溶解 / 吸着 / 硫酸カリウム |
研究概要 |
さきに我々は、数10ppmのクロム(III)の存在により硫酸カリウムの水に対する溶解度が10%程度減少することを見いだし、この現象を次のように説明した。すなわち、溶解中の結晶にクロム(III)が吸着され、この吸着層により硫酸カリウム結晶の溶解が溶解平衡が達成される前にストップさせられてしまうため"溶解度"が減少するというメカニズムを提案した(Kubota et al.,Ind.& Eng.Chem.Res.,27(1988)930)。本研究では、(1)溶解度減少に有効なクロム(III)の化学的形態の追求、(2)溶解停止機構の実験的検討、(3)硫酸カリウム-クロム(III)以外の系におけるこのような現象の探索、を試みた。 まず(1)については、溶解度減少効果がクロム(III)塩(硫酸クロム4水和塩、クロムミョウバン、塩化クロム6水和塩、フッ化クロム3水和塩、酢酸クロム1水和塩)によって異なることを明らかにし、クロム(III)は単独のイオンではなくある種の錯体として溶解度を抑制しておりその形態が溶解度減少と密接に関係していると推定した。さらに、pHによる減少効果の違いおよび文献デ-タから、クロム(III)は多核錯体となって溶解度減少効果を示すと推定した。また、(2)については、上述の各種クロム(III)塩の硫酸カリウム結晶に対する吸着平衡を硫酸カリウム飽和水溶液中でpHを変えて測定し、吸着量と先の溶解度減少効果が対応していることを明らかにした。しかし、硫酸カリウムの結晶学デ-タを用いてクロム(III)錯体と結晶表面の相互作用(吸着)の分子レベルの議論をするという当初計画の実現には至らなかった。(3)については、硫酸アンモニウム-クロム(III)において、不純物による溶解度減少効果が現れる可能性があることを文献調査から推定した。実験は、今後の課題としたい。
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