研究課題/領域番号 |
01550767
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発酵工学
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研究機関 | 熊本工業大学 |
研究代表者 |
小川 隆平 熊本工業大学, 工学部, 助教授 (40029244)
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研究分担者 |
藤井 隆雄 熊本工業大学, 工学部, 助手 (80165331)
福田 秀雄 熊本工業大学, 工学部, 教授 (10150830)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | エルゴステロ-ル / スクアレン / Fusarium SP / ニコチン酸耐性 / Sgualene hydroxylase |
研究概要 |
Fusarium sp.No.5ー128Bは菌体内にエルゴステロ-ルを多量に生成し、かつ菌体外へ分泌蓄積する能力をもっている。本研究は、このFusarium sp.を用いて、高級炭化水素の1つであるスクアレンを菌体内に多量生成させると共に、菌体外に分泌蓄積するような能力をもった変異株に育種改良することを目的とした。本年度は、上記目的を達成させるため、育種改良を行った。以下得られた結果を述べる。 1.スクアレン生成能の増大を期待して、エルゴステロ-ル要求変異株やカビサイジン耐性増強変異株の誘導分離を試み、また2.エルゴステロ-ル生成能の増大を期待して、カビサイジン感受性変異株やニコチン酸耐性株(NA^r)を分離したが、期待通りではなかった。唯、NA^r株として得たNA201株は親株の約50倍に当たる0.3%のスクアレン含量を示した。NA耐性度は、pHに大きく影響をうけ、pH5以下の条件下で、親株のNA耐性度と差が表れた。またNA201株はコロニ-や胞子の形状、色素生成などが大きく相異した形態変異株であった。 NA201株の培養諸条件の最適化を試み、グルコ-ス3g/l含有天然培地、培養温度28℃、300ml張込み/500mlフラスコ(Kd=24×10^<-3>moleO_2/l・hr・atm)での回転振とう機(7cn、180rpm)培養の場合に、親株の約250倍に相当する3%のスクアレン含量が得られた。また、このときのエルゴステロ-ル含量は、親株の約1/10以下に減少していた。 C^<14>ー酢酸を倍地に添加して、その代謝経路を追跡した結果、NA201株では、不ケン化画分に取り込まれた放射能の約85%がスクアレン画分に、約9%がエルゴステロ-ル画分に検出され、親株では、不ケン化画分に取り込まれた放射能の約1%がスクアレン画分に、約91%がエルゴステロ-ル画分に検出された。このことによりNA201株は、Squalene hydroxylaseの活性が、変異によってかなり弱められたものと考察した。
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