研究課題/領域番号 |
01560016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
作物
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
和田 富吉 名古屋大学, 農学部, 助手 (20158702)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | イネ穎花 / 葯 / 花粉 / 小胞子 / タペ-ト / 発達 / 冷温障害 / タペ-ト肥大 |
研究概要 |
1.イネ穎花の葯内における花粉細胞の発達過程をグリコ-ルメタアクリル樹脂準超薄切片法によって試料調製し、光学顕微鏡下で観察した。(1)小胞子母細胞の形成、(2)減数分裂の経過、(3)四分子から小胞子に至る細胞の変化、(4)小胞子細胞の活性化、(5)液胞化花粉細胞の形成、(6)生殖細胞の形成と分裂、(7)花粉細胞の充実および(8)成熟花粉の様相についていくつかの知見を得ることができた。2.葯および花粉の細胞を蛍光顕微鏡下で観察し、葯壁の発達、花粉外殻の形成および受粉と花粉発芽の様子を明らかにした。3.凍結割断法を用いて葯の内部構造を走査電子顕微鏡下で観察した。母細胞、小胞子および花粉の細胞は常に葯室の周縁部に存在しタペ-ト層と接近した位置関係を保持していることを明確にした。また葯室内には小胞子後期まで葯液が存在し、その後この液が急速に失われることを明らかにした。4.耐冷性の比較的弱い品種農林20号を早期にポット栽培したところ、冷温によると思われる稔実率の著しい低下を認めた。この作物体の穂ばらみ期の穎花を上記と同様に光学顕微鏡および蛍光顕微鏡下で観察し、母細胞、小胞子および花粉の細胞の退化を認めた。これらの退化には、タペ-ト肥大を伴う場合と伴わない場合があり、とくにこれを伴う場合において小胞子の退化が著しいことを明らかにした。このことから冷温障害におけるタペ-ト肥大の指標としての有用性を確認するとともに、この障害の際の小胞子の退化がすべてタペ-ト肥大にもとずくものあるとは言い難いことも確認した。またこれまでの研究成果を総合することによって、タペ-ト肥大を伴う小胞子の退化における、小胞子細胞とタペ-ト層の相互関係について、新しい見解を持つに至った。この見解をさらに明確なものにすつ目的で、さらに詳細な研究を行っている。
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