研究概要 |
平成元年度から平成3年度の実験によって,メロンとキュウリの転流は,葉と茎と果実における維管束システムにしたがって行われ,転流物質の糖代謝は次のように行われていることが明らかになった。 1.メロンとキュウリにおいて,光合成産物の転流は,葉→茎→果実→種子の維管束配列と連絡にしたがった特定の維管束内を転流していた。 2.メロンとキュウリの茎と果柄内における転流物質はこれまでの研究と同じく,主にラフィノ-スとスタキオ-スを中心とする少糖類で行われていた。 3.果実の中においても,果托には比較的高い割合の少糖類が認められた。 4.単托内における少糖類の全糖に対する割合は ^<14>CO_2施与後の時間が減過するほど低くなった。 5.果実内部においても, ^<14>CO_2施与後の経過時間が短いほど少糖類が多く認められ,時間が経過するほど少なくなった。 6.時間が経過すると,果実の主な貯蔵物質は,メロンではスクロ-スが除々に多くなり,キュウリではグルコ-スとフルクト-スが多くなった。 5.以上の結果,本実験のように維管束システムにしたがった転流経路を考慮してサンプルを切り出すことによって初めて,メロンとキュウリの転流は,茎においてのみならず果柄においても果実内においても,おもにラフィノ-スとスタキオ-スを中心とする少糖類で行われることが明らかになった。
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