研究概要 |
トルコギキョウのロゼット化は平均気温25℃以上,かつ最低気温20℃以上で誘起される。境界域の温度では移植時の断根,乾燥,種子成熟期の温度の影響を受ける。高温には胚が活動を開始する時点から感応し,子葉が展開するまでが感受性が高い。30℃で発芽させ,この温度を2週間継続するとロゼット性の強い品種では100%ロゼット化する。本葉が4枚展開する時点にはこのような高温感受性はなくなり,この時点までに高温を受けていない幼苗では高温で抽台が促進される。高温に遭遇している幼苗ではロゼット化が深まる。 したがって,発芽から本葉4枚に生育するまでロゼットを誘起するような高温に遭遇させないことが肝要である。このようなロゼット性には品種間差異があり,107品種を供試して検討した結果,最もロゼット化しにくい品種はロイヤルバイオレット,しやすい品種フレッシュホワイトであった。 高温でロゼット化した幼苗は低温でロゼットが打破される。打破温度としては5〜20℃が有効であるが10℃の効果が最も高い。苗令に関係なく,10℃4週間でロゼットは打破される。
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