研究課題/領域番号 |
01560038
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
岩堀 修一 鹿児島大学, 農学部, 教授 (00012055)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 離落 / アンチモン法 / ブラシノイド / 四季橘 / カルシウム・イオン / IAA / トリフルオペラジン / カルシウム / 柑橘 / 顕微化学 / 細胞内カルシウム検出 / ピロアンチモン酸 / ブラシノライド |
研究概要 |
柑橘の離落におけるカルシウム(Ca)の役割を明らかにするため、四季橘の葉のexplantを用いて1)新しい動物ホルモン、ブラシノライド(BR)とカルモデュリン・Ca系の阻害剤トリフルオペラジン(TFP)の離落における相互作用、2)Caの細胞内分布、について調べた。 1)BRは四季橘の葉のexplantの離落を著しく抑制し、0.021μMの低濃度でも効果が認められた。IAAも離落を抑制したが、その効果はBRより劣った。1方TFPは離落を促進し、この促進効果はBRまたはIAAの添加で抑制されたが、IAAの方が抑制効果が高かった。このことはBRとIAAの離落抑制の機構が異なることを示唆する。BRとIAAは四季橘効果のexplantの離落を抑制し、この効果はBRの方が高かった。TFPは離落を促進した。 2)SlocumとRouxのアンチモン法を用い、透過型電子顕鏡観察により、四季橘の葉のexplantの離層部細胞内のCaの分布を調べた。アンチモンを固定液に加えたものと加えないものの標品を比較することにより、Caを小粒子として検出することができた。新鮮なexplantやIAA処理explantではCa粒子はごく僅かで、主に細胞膜に沿って存在した。少し老化したexplantでは粒子の数は増加し、細胞膜のみならず、細胞質中の細胞壁中層にも存在した。TFP処理で離落中のexplantでは崩壊した細胞中層に著しい数の粒子が存在した。これらのCaはイオンとして存在していると考えられた。以上の結果は離層部細胞中に存在するCaの量や細胞内分布、あるいはCaの形態が離落と密接や関係を有していることを示している。 今後細胞内のカルモデュリンを顕微化学的に検出し、カルモデュリン・Ca系が組織の老化・離落に果たしている役割を究明したい。
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