研究課題/領域番号 |
01560047
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石塚 皓造 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (60101317)
|
研究分担者 |
松本 宏 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (10199888)
臼井 健二 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (80087585)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
キーワード | シメトリン / ベンスルフロンメチル / 除草剤抵抗性 / 品種間感受性差 / イネの分化 / 日印型判別法 / 脱メチル化反応 |
研究概要 |
除草剤に対する抵抗性がイネの品種により異なる現象は栽培技術上注目すべき事柄であるが、イネの化学物質に対する生理反応の特徴を知る上でも重要な示唆を与える。日本、韓国、タイ、フィリッピンにおいて育種された品種、およびタイにおいて収集した野性稲の生物型について、除草剤シメトリンとベンスルフロンメチル(BSM)に対する抵抗性の程度を調べた。シメトリンに対しては一般的に日本型に属する品種が、またBSMに対しては印度型や日メ印交雑の品種が強い抵抗性を示した。特にBSMに対して野性稲の2生物型、タイのRD-1、RD-24、韓国のMilyangなどは極めて高い抵抗性を示し、一方日本晴、キンマゼ、アキユタカなど感受性大の品種も見出された。茎葉生育半減濃度の比較では10^2〜10^3倍の差が示された。遺伝研佐藤らによる日印型判別基準により解析すると、印度型の形質を持つ度合とBSM抵抗性の大小とが相関した。ある品種の6世代F_6まで栽培した試料について、日本型、印度型の形質の分離に伴ってBSM抵抗性がどの様に分布していくか追求中である。 BSMはイネの体内において、そのピリミジン環側鎖の-OCH_3基の脱メチル化により解毒されるが、その脱メチル化反応の速度は抵抗性の大なる品種において大であった。この反応に関与する酵素の性質について現在調査している。^<14>C標識BSMを用いて、各品種の幼植物による吸収と体内移行とを調べたが、抵抗性の大小との関係については一定の傾向が得られなかった。 今後はイネの遺伝子の地理的分布と除草剤抵抗性の分化との関係を調べる予定である。その際、イネのBSM解毒能力(0ー脱メチル化酵素)の分化についても検討する。
|