• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ニカメイガ幼虫の氷晶核に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01560053
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 植物保護
研究機関岡山大学

研究代表者

積木 久明  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60033255)

研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワードニカメイガ / 氷晶核 / 膜タンパク質 / 耐凍性 / 過冷却点 / 筋肉 / 表皮
研究概要

凍結しても融解後に生存できるいわゆる耐凍性型の昆虫は、しばしば0℃以下の比較的高い温度で凍結する。これは、極端な過冷却状態が破れると急激な冷却が起こり、細胞内凍結が発生し、死に至る可能性が高くなるからである。このような危険性を回避するため、耐凍性型の多くの昆虫は、凍結を積極的に誘導する氷晶核を体内に作り出し、0℃以下の比較的高い温度で凍結することにより、細胞内凍結を回避している。しかし、この氷晶核について不明な点が多い。
ニカメイガ幼虫は冬期体内に多量のグリセロ-ルを蓄積することにより、低温耐性が強化され、-25℃まで耐えることができた。一方、その過冷却点は越冬中-14℃前後でほぼ一定であった。この結果、ニカメイガ幼虫は耐凍性型の昆虫であり、体内に氷晶核を持つことにより、冬期ほぼ一定の過冷却点を示すものと考えられる。そこで、ニカメイガ幼虫における氷晶核の存在部位を特定するとともに、抽出、精製を行った。解剖して取り出した各組織の過冷却点を測定したところ、休眠幼虫では筋肉の過冷却点が最も高く、しかも全虫体の過冷却点と一致していた。即ち、氷晶核は主に筋肉に存在していると考えられる。この氷晶核は、熱処理(100℃、5分)やプロテア-ゼ処理で活性の失活がみられた。氷晶核が存在しないと考えられる体液を除いた後の組織から調整した細胞膜に、界面活性剤(LDS)を作用させたところ、氷晶核の可溶化がみられた。これらの結果、氷晶核は細胞膜に存在する膜タンパク質と考えられる。そこでさらに、この可溶化標品をゲル濾過したところ、分子量の異なった8個のタンパク質画分が得られた。その内の分子量50〜80Kダルトンのタンパク質画分が氷晶核の活性を有していた。現在、高速液体クロマトグラフィを用いて、このタンパク質画分をさらに精製し、構造を解析中である。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 積木久明・今野晴義: "ニカメイガ越冬幼虫の氷晶核の可溶化とその性質" 第34回日本応用動物昆虫学会大会講演要旨(1990年4月6日). (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Tsumuki.Hisaaki: "Environmental adaptation of the rice stem borer, Chilo suppressalis and the blue alfalfa aphid,Acyrthosiphon kondoi to seasonal fluctuations" Proceeding of International Congress of Invertebrate Reproduction. (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Tsumiki.Hisaaki,Konno.Haruyoshi,Kanehisa.Katsuo: "Tissue distributions of tha ice nucleating agents in larvae of the rice stem borer,Chilo suppressalis walker" 投稿準備中.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

URL: 

公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi