研究課題/領域番号 |
01560055
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
近藤 栄造 佐賀大学, 農学部, 助教授 (60039336)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 昆虫寄生性線虫 / Steinernema / Heterorhabditis / 共生細菌 / 病原性 / 生存 / 行動 / 培養 |
研究概要 |
前年度から引き続き、Steinernema属およびHeterorhabditis属昆虫寄生性線虫の病原性決定要因を解析するため、in vitroおよびin vivoの実験を行った。 1.Steinernema属およびHeterorhabditis属昆虫寄生性線虫の殺虫力菌の病原性があり、線虫の病原性(殺虫性)は感染態幼虫の生存、行動に大きく支配される。In vitroにおける誘引実験で、寄主からの刺激を受容するセレプタ-に及ぼすレクチン・酵素類の影響を解析した結果、線虫の誘引性は蛋白質分解酵素処理により大きく低下した。Steinernema属線虫に比べて環境中での生存が劣り感染性が低下しやすH.bacteriophoraの生存力を微細構造学的に解析したところ、線虫を保護する鞘(sheath)の内側には特異的な隆起があり、容易に脱鞘するため環境中での生存力が低下することが明らかになった。だが、角皮基底層はよく発達し、寄生探索と関連していると思われるnictating行動は活発であった。 2.長期培養後に病原性の低下した線虫と新たに昆虫体から分離した線虫の共生細菌保持量を比較調査した結果、両者には大差がなかったため、線虫の病原性と保持細菌量との間に直接的な関連はないと結論された。また、各種線虫と細菌との間の共存・依存関係を肉エキス培養地上での発育・増殖比較実験により解析した結果、共生細菌の栄養的価値は線虫の種類によって著しく異なり、昆虫への感染性・依存性が高い種類ほど細胞への栄養的依存性が小さいことが示された。 3.無菌培地による大量培養がまだ十分には確立できず、共生細菌の組替や、それによる病原性の増強実験に至らなかった。無菌培養法の確立に向けての実験は現在も続続中である。
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