研究課題/領域番号 |
01560063
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
蚕糸学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小林 勝 信州大学, 繊維学部, 助手 (10021164)
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研究分担者 |
田中 一行 信州大学, 繊維学部, 教授 (00021139)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ゲノムの異なる絹糸虫の交雑 / 器官発生分化 / 精巣の超微形態 / 成熟分裂 / 染色体の行動 / 精子形成 / 天蚕胚子の懸滴培養 / 昆虫ホルモン / 種間雑種 / ゲノムDNA量 / 前幼虫態越冬 / 染色体の対合異常 / フロ-サイトメトリ- |
研究概要 |
この研究は、テンサン飼育において技術的にネックとなっている2課題について基礎的な調査を行った。虫質に優れるサクサン(P、n=49)とテンサン(Y、n=31)との交雑育種(Y×P、P×Y)を試みる一環として、不妊とされるF_1精巣の発育と精子形成を細胞学的に比較した。つぎに、テンサン卵の卵殻除去による胚子培養が可能となったので、随時ふ化法に資する休眠打破と昆虫ホルモンとの関係を調査した。 1)幼虫期における精巣の発育には、両親とF_1との間には形態学的な相違はなかった。しかし、精子形成の副核出現期になると、F_1においてのみ細胞間橋を介して隣接細胞との間に核融合がみられた。核融合の結果と推定される、鞭毛内に軸糸を複数持つ精子が観察され、この異常精子は運動機能に支障を来すものと考えられた。 2)F_1の成熟分裂中期の染色体の形は、両親のものと同様8の字形と、0の字形の両者から構成されていた。 3)第一分裂中期の染色体の構成は、両親との比較から、平均数でY×P:2価10.0、1価60.0、P×Y:2価8.8、1価62.4であった。つぎに、第二分裂中期では、8の字形のものが明確でなく、大伴が0の字形であった。構成は、Y×P2分染色体9.9、1分染色体59.6、P×Y前者9.1、後者62.6となり、染色体の数や組合せの異なる精子細胞ができる可能性が示唆された。以上のことから、F_1の成熟分裂時の染色体対合の有無が異常精子を形成する原因と断定できないが、正常な個体発生を低下させているものと考えられた。 (4)培養胚子の発育と添加ホルモンとの関係は、初期胚子および産卵後144時間胚子ともに、対照区、ecdysterone区(2μg/μl)では胚子を頭部着色期まで発育させた。一方、KKー86S区(10μg/μl)では、両胚子に異常発生が認められた。添加ホルモンと休眠打破との関連では結論は得られなかったが、胚子が卵黄を飲み込む前に卵殻を1/3程度除去した方法でホルモン処理すると、その効力の判定に使える可能性が示唆された。
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