研究概要 |
大麦根の鉄ームギネ酸錯体(Fe(III)ーMAs)の吸収リセプタ-遺伝子を釣り上げるために,二性二層分配法により分離したFe欠令大麦根細胞膜画分をSDSーPAGEで展開し,銀染色により,14,28,40KDeのペプチドバンドにFe処理区との間に差を認めた。そこでこの膜画分を再度二次元電気泳動して,両者の間でスポットの差を調べたが,顕著な差を示すスポットを見出すことができなかった。 そこで今年は方針を変更し,まずムギネ酸類に対するモノクロ-ナル抗体を採り,これに対する抗抗体を作成し,それを用いて,Fe(III)ーMAs吸収リセプタ-遺伝子をスクリ-ニングすることとした。 そのためにまず、MAs類に対する抗体の作成を行うこととした。このような低分子はBSAと結合して抗原としなければならないためMAsーBSA結合体を作成しようとしたが,反応基との関係でNA(ニコチアナミン)ーBSAを抗原として用い,そのあとMAsに対するモノクロ-ナル抗体をスクリ-ニングすることとした。NAーBSAに対するウサギのポリクロ-ナル抗体が得られ,抗体価はNA(100%),DNA(デオキシムギネ酸100%),MA(ムギネ酸82.8%)であったがepiHMA(エピハイドロキシムギネ酸)やHMA(ハイドロキシムギネ酸)に対してはゼロであった。現在マウスハイブリド-マから数種のNA抗体をもつクロ-ンを選抜している。 将来は,抗NA抗体のアフィニティカラムで目的蛋白質を精製する予定である。
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