研究概要 |
圃場に生育するマメ科植物に窒素固定能の高い有効根粒菌を接種しても期待されるほど接種効果が上がらない場合が多い。その原因の主体は土着根粒菌のために接種根粒菌による根粒着生が抑制されることにある。 本研究では殺菌剤により土着根粒菌の増殖を抑えて接種効果を高める方法として薬剤と薬剤に耐性をもつ根粒菌を同時に種子処理する方法を検討した。また、種子処理を行う場合に必要な種子コ-ティング法、根粒菌の増殖培養法について調査した、なお、ダイズ、アルファルファ、インゲンを対象として研究を実施した。得られた結果は下記のておりである。1.ダイズ根粒菌はインゲン根粒菌に比べてTMTDによって,増殖が顕著に抑制されるため、同薬剤の耐性菌が本研究目的に利用できると考えられた。しかし,分離した耐性菌の薬剤耐性が安定せず利用できなかった。2.カスガマイシン耐性ダイズ菌とカスガマイシンの同時種子浸漬処理は土着根粒菌による根粒着生を抑え、接種菌による根粒着生を促進することを通して植物生育収量を高めることを確認し、上記の手法が実用の場で有用と考えられた。3.上記の手法を応用する場合に必要な種子コ-ティング法を検討し、ダイズではPVAによる活性炭コ-ティングが、アルファルファでは過酸化石灰によるコ-ティングが有用と考えられた。また、アルファルファ根粒菌株の中からノボビオシン耐性菌を分離し、その種子接種試験を実施している。4.その際に必要な菌増殖法を検討する試験において葉タンパク製造過程より排出するアルファルファ脱タンパク上澄液の菌培地としての利用法を検討し、その有用性を明らかにした。5.インゲンを対象とした試験では、接種菌として利用できる窒素固定能の高い有用菌が分離できないために接種試験は行い得なかったが、インゲンの低窒素固定の原因が解明できた。
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