研究課題/領域番号 |
01560098
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学・栄養化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
池上 晋 広島大学, 生物生産学部, 教授 (80011980)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | カエル / 卵母細胞 / RNA合成酵素 / カイコ細胞質多核体病 / ウイルス / 二本鎖RNA |
研究概要 |
カイコ細胞質多核体病ウイルス(CPVと略称する)は10本の分節したゲノムニ本鎖RNA分子と、5種のポリペプチド、V1(分子量146K)、V2(分子量140K)、V3(分子量128K)、V4(分子量62K)、V5(分子量32K)から構成されている。ウイルス粒子には二本鎖RNAを鋳型として単鎖のmRNAを生成させるRNAレプリカ-ゼの他に、mRNAグアニリルトランスフェラ-ゼ、mRNAメチルトランスフェラ-ゼなどのキャッピング酵素が内在する。しかし、これらの酵素活性はウイルス粒子から可溶化されておらず、これらがどのペプチドに相当し、どのRNAセグメントによってフ-ドされているか明らかにされていなかった。 本研究で、CPV粒子から10本の二本鎖RNAセグメントを分離・精製し、それぞれのセグメントを[^3H]UTPと共に無核アフリカツメガエル卵母細胞に注入し、RNA合成を誘起するRNAセグメントを探査した。その結果、セグメント2および3の加熱変性RNAを注入た際に,RNA合成量が増大することが判明した。セグメント2および3がコ-ドするペプチドはV2であった。したがって、V2がRNAレプリカ-ゼに他ならないことが結論ずけられた。 本研究に関連して、イトマキヒトデ卵母細胞にCPVを注入したところ、アフリカツメガエルの場合と異なり、CPVタンパク質を生成することなく細胞は死に至ることが判明した。この致死因子は二本鎖RNAそのものであり、この二本鎖RNAによる致死作用には細胞内アクチンの重合が関与することがあきらかとなった。 さらに、RNAポリメラ-ゼ反応を阻害する新規化合物を精製、単〓し、これがホルマイシンにきわめて類似の作用をもち、アフリカツメガエル卵母細胞に注入することによってリン酸化されることが示された。
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