研究課題/領域番号 |
01560115
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
依田 幸司 東京大学, 農学部, 助手 (20143406)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 酵母 / 温度感受性変異株 / 分泌 / 小胞体 / ゴルジ体 / クロ-ニング / 塩基配列 / USO1 / フロ-ニング |
研究概要 |
我々の分離した酵母S.cerevisiaeの温度感受性変異uso1は、蛋白分泌における小胞体ーゴルジ体間の輸送に欠損をもち、制限温度下で分泌蛋白及び液胞蛋白質が小胞体に蓄積するとともに小胞体及び核膜の変形、異常な繊維束の蓄積などの形態学的変化をおこす。変異を相補する遺伝子をクロ-ン化後、遺伝解析よりサプレッサ-遺伝子ではなく真の野生型USO1遺伝子であることを確認し、遺伝子破壊によりこれが酵母の生育に必須であること及びパルスフィ-ルド電気泳動より第IV染色体に存在することを明らかにした。5937塩基対の塩基配列を決定した結果、273番のATGに始まり5607番のTGAで終る1790アミノ酸のopen reading frameが存在し、これがUso1遺伝子産物であると推定された。この蛋白は全体的に親水性であり、分泌シグナル配列や膜貫通配列にみられるような疎水性アミノ酸の連続部分はない。468番から20アミノ酸と1771番から15アミノ酸の部分は酸性アミノ酸に富み、前者にはカルシウム結合蛋白の共通配列が含まれている。また750番目から後半の配列はcoiled coilとなるαヘリックスを形成しうる特徴をもち、これによりUso1蛋白質は二量体を形成して機能していると予想される。アミノ酸36ー571番及び1128ー1790番を含む融合蛋白質を大腸菌で生産させ、これによりマウス及びウサギをを疫して抗Uso1蛋白血清を調製した。N末端側Uso1蛋白に対するウサギ抗血清は1000倍以上希釈してもウエスタンブロット法で融合蛋白と反応し、特異性も良好であった。酵母抽出液を分画して反応する蛋白を調べたところ、野生株やマルチコピ-でUSO1遺伝子を持つ株では検出できなかったが、GAL7プロモ-タ-によりUSO1遺伝子を高発現させた株では分子量約200KのUso1蛋白質を検出された。USO1遺伝子の転写産物もGAL7により高発現した場合のみ際立って多量のmRNAが検出されたので、Uso1蛋白質は細胞内に本来微量存在し機能していると考えられる。
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