研究課題/領域番号 |
01560124
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
杉尾 剛 岡山大学, 農学部, 助教授 (20033269)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Thiobacillus ferrooxidans / 硫黄酸化酵素 / バクテリアノ-チング / 銅イオンの溶出 |
研究概要 |
Fe^<3+>高濃度に存在する酸性鉱山排水中に生息しバクテリアリ-チングにおいて最も重要な細菌と考えられている鉄酸化細菌I.ferroxidansに、Fe^<3+>を電子受容体にするユニ-クな新規硫黄酸化酵素hydrogen sulfide:ferric ion oxidoreductase(SFORase)が存在する事を示し、SFORaseを均一な標品として単離した。SFORaseが、元素硫黄によってFe^<3+>を還元できるのみならず、M_0^<6+>をも還元する事が明らかになったので、今回鉄酸化細菌がCu^<2+>を還元する事ができる新規酵素を持つか否かについて検討する事を目的にした。Fe^<2+>を主エネルギ-源とする無機塩培地で増殖したI.ferrooxidansの洗浄細胞が、元素硫黄(S^0)を電子供与体にして、嫌気条件下あるいは鉄酸化酵素の阻害剤であるシアンイオンの存在下好気的にCu^<2+>をCu^+に還元する事を明らかにした。これらの結果は、生成してくるCu^+が直ちに本菌の鉄酸化酵素によってCu^<2+>へ再酸化される事を示唆している。洗浄細胞を用いてのCu^<2+>の還元がSFORaseの阻害剤によって強く阻害される事から、Cu^<2+>の還元がSFORaseによって触媒される事が示唆された。精製SFORaseを用いてCu^<2+>の還元反応を触媒するか否かをも検討し、SFORaseがS^<0+>を用いてのCu^<2+>の還元を触媒する事、Cu^<2+>に対するKm値が7.2mMである事を明らかにした。この様に、鉄酸化細菌はFe^<2+>またはS^<0+>を酸化するばかりでなく、Fe^<3+>、Cu^<2+>、M_0^<6+>等の重金属イオンを還元するという新しい機能を持っていることを明らかにした。 I.ferrooxidans AP19ー3株が、硫化鉱石である黒鉱からCu^<2+>を酵素的に溶出するか否かについて検討した。本菌洗浄細胞は酵素的に黒鉱より銅を溶出し、最適pHは30であった。本菌は0.5%フェノ-ルで30分間処理すると、SFORase活性をほとんど完全に消失するが鉄酸化酵素は影響を受けない。このSFORase活性を失ったAP19ー3株は、黒鉱からCu^<2+>を溶出する能力を失なっていた。これらの結果より、本菌を用いての黒鉱からのCu^<2+>の溶出にSFORaseが関与している事が明らかになった。
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