研究課題/領域番号 |
01560131
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大類 洋 東北大学, 農学部, 助教授 (20100050)
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研究分担者 |
西田 芳弘 東北大学, 農学部, 助手 (80183896)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 位置選択的脱ベンジル化 / N-結合型糖蛋白質糖鎖 / 1.6-アンヒドロ糖 |
研究概要 |
申請者が見い出したルイス酸(SuCl_4,TiCl_4)による位置選択的脱ベンジル化反応の展望の展望および限界さらには詳細な反応機構を明らかにするという基礎的研究に重点を置いて研究を行った。本反応では1.6-アンヒドロ-D-マンノピラノ-ストリ-O-ベンジル体(I)では92%という高収率で2-位の脱ベンジル体(II)が得られるがそのほぼ鏡像体と考えられるガラクト-ス誘導体(III)では反応が非常に遅く多種類の生成物を与え選択性が全く見られなかった。この結果はI,IIIにおいては1.6-アンヒドロ環酸素の位置が重要であることを示すものである。また1.6-アンヒドロ-D-グルコ-ス誘導体(IV)では2-位又は4-位が選択的に脱ベンジル化された生成物V,VIがほぼ等量得られた。そこでIIより容易に得られる2-アジド-2デオキシ-D-グルコ-ス誘導体(VII)で反応を行ったところ4-位が脱ベンジル化された生成物VIIIが高収率で得られた。以上の結果はこの位置選択的脱ベンジル化反応には不対電子を有する3つの基が適当に配置していることが重要であることを示すものである。更に反応機構解明のためベンジル化エチレングリコ-ル(IX)及びベンジル化グリセロ-ル(X)で反応を行ったところIXでは同一条件下では全く反応が進行せずXでは予想に反して2位の水酸基の脱ベンジル化が起きた。更に上記の反応全てをNMRの試料管中で行い追跡したところまず分子内の反応性を高い不対電子を有する2つの原子がルイス酸とキレ-トを作り、次に分子内の適所にある第3のベンジルエ-テルと反応しこのエ-テルを切断するという反応機構を明らかにした。これらの反応で得られた位置選択的に脱ベンジル化された化合物はN結合型糖鎖の合成原料として有用であり現在大量合成中である。
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