研究課題/領域番号 |
01560155
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
|
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
菅原 二三男 理化学研究所, 薬剤作用研究室, 研究員 (30192123)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | エレモフィラン / セスキテルペン / 植物制御活性物質 / 植物病原菌 / X線結晶解析 |
研究概要 |
本課題研究では、雑草の植物病原菌が生産する新植物制御活性物質を単離し、化学構造を決定したうえで、その作用性と農業生産の場における有用性を探った。植物病原菌の有用産物としては、ジベレリンが実用化されているがそれ以外の物質に関しては現在も研究が続けられている。本課題では、種々の雑草を宿主とするHelminthosporium gigantiaを用いた。菌体による活性物質の生産量を改善するために培養条件の検討をしたところ、バレイショ・デンプン(potatodextrose broth)を成分とする液体倍地が最適であった。培養室の温度は26度から28度が適温であった。1Lの培養液を約20L培養し、これを酢酸エチルによって抽出し、生理活性試験によってこの中性区に活性を見いだした。約12Lの酢酸エチルを減圧化で濃縮し粗抽出物を得た。これをシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ-により10区に分けさらにTLCによる精製を行なった後に高速液体クロマトグラフィ-によって単離を行なった。各成分を質量分析により分子量を決定すると共に、核磁気共鳴スペクトルから化学構造を推定した。その結果、基本骨格としてはエレモフィランと通称呼ばれる単素数15のセスキテルペンであることが明らかとなった。特にその中でも生理活性上重要と考えられたgigantenoneについては、X線結晶解析によって構造を決定した。さらにこの構造については、東京大学農学部農芸化学科有機化学教室の森謙治教授と北原武助教授が立体選択合成によって確認された。植物を用いた生理試験では、gigantenoneがクロロフィル保持能を示した。この葉片からクロロプラストを単離して光合成を行う能力を調べたが、光合成能のそのものは失活していた。
|