研究課題/領域番号 |
01560175
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐野 嘉拓 北海道大学, 農学部, 助教授 (10001463)
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研究分担者 |
浦木 康光 北海道大学, 農学部, 助教授 (90193961)
笹谷 宜志 北海道大学, 農学部, 教授 (80001410)
小澤 修二 北海道大学, 農学部, 助手 (50204194)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 木質バイオマス / 常圧パルプ化 / 硫酸 / 酢酸パルプ / リグニン / キシロ-ス / 吸着剤 / 活性炭 / 木貭バイオマス / リグニン接着剤 / ケミカルパルプ / 短伐期早生広葉樹 / 無公害パルプ化 / 酢酸パルプ化 / リグニン利用 / 酢酸水溶液 / 大気圧パルプ化 / セルロ-ス / 液体燃料化 / フルフラ-ル / ヘミセルロ-ス |
研究概要 |
近代社会の持続的繁栄のためには化石有機資源である石油資源の永続的供給が不可欠であり、節度ある石油資源の消費と共に石油延命・代替資源の開発が必要である。エネルギ-代替資源は原子力・太陽熱・地熱の水力・石炭など数多く提案されているが、ケミカルスの代替資源は石炭・バイオマスくらいしかない。バイオマスは再生可能な資源であり、比較的簡単な処理でペテロケミカルスの95%を代替・製造することが可能であるから重要な石油延命・代替資源である。特に食糧との競合がなく、資源の蓄積量も多い木質バイオマスは有効な代替資源である。また木質バイオマスは長期間にわたり炭酸ガスを固定化し、地球環境の浄化・保全機能が高いから地球規模で撫育していく必要性が叫ばれている。従って環境と資源を調和した森林・木質バイオマスの管理・利用が近代社会の持続的繁栄のための重要な課題である。 木質バイオマスをケミカルス原料に使用する場合、緊密に入り込んで存在する全成分の95%強を占めるセルロ-ス、ヘミセルロ-スとリグニンを出来るだけ変質の少ない化学処理でほぐして各成分に分け、各成分を高度な用途に利用することが必要であるが、現在そのような木質バイオマスの分離法は存在しない。そこで、本研究は環境・資源の両面で重要な広葉樹材を対象に、硫酸を触媒としたフラスコ(常圧)内での分離法を検討した。即ちチップを0.2〜0.4%の硫酸を含む90%酢酸水溶液で煮沸することで不溶性のセルロ-ス(パルプ)と可溶性のホミセルロ-スとリグニンに分離した。セルロ-スは紙・パルプやケミカルスの原料に使用するために基礎的性質を調べ、残存リグニンが若干多く、相当するクラフトパルプに比べて強度持性が劣るが、多くの用途のケミカルパルプや酵素分解してケミカルス原料に利用できることが明らかになった。可溶性物質は水による分別沈殿法でヘミセルロ-ス(水可溶部)とリグニン(水不溶部)に簡単に分けられる。ヘミセルロ-スは大部分がキシロ-スであり、簡単な精製操作で甘味料や医薬品となるキシロ-スを回収できることが明らかになった。また、リグニンの詳細な化学構造の分析を行ったが、リグニンは反応活性なベンジル水酸基が残存し、重量分子量が3,000〜7,000の有機溶媒に可溶性のリグニンであり、20%のフェノ-ルと混合し、リグニン接着剤に使用することが可能であった。リグニンの利用法の開発研究はなお継続している。
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