研究課題/領域番号 |
01560181
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寺島 典二 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023396)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ヘミセルロ-ス / 放射性同位元素による標識 / リグニン / フェニルアラニン・アンモニア・リア-ゼ阻害剤 / アミノオキシフェニルプロピオン酸 / アミノオキシ酢酸 / キシラン / セルロ-ス |
研究概要 |
目的:細胞壁中におけるヘミセルロ-スの生成、分布および反応性を調べるため、放射性同位元素により、ヘミセルロ-スのみを選択的に標識することを目的とした。 方法:多糖類のみを標識するため、その生合成前駆物質として、標識単糖類を植物に投与しても放射活性は組織中のリグニンなど他の成分にも移行する。そこでリグニン生合成の鍵酵素であるフェニルアラニン・アンモニア・リア-ゼ(PAL)の阻害剤であるアミノオキシフェニルプロピオン酸(AOPP)およびアミノオキシ酢酸(AOA)を用いて標識のリグニンへの移行を抑制することを試みた。まず、コブシの切枝をこれらの溶液で前処理した後、^<14>C-フェニルアラニン、^<14>C-グルコ-スおよび^3H-ミオイノシト-ルを含む同溶液を投与して吸収・代謝させた。新生木部をニトロベンゼン酸化分解および72%硫酸加水分解して得られるバニリン、シリングアルデヒド、キシロ-スおよびグルコ-スを高速液体クロマトグラフを用いて定量・分取した。それらの放射活性を調べることにより、リグニンおよび多糖類への放射活性の移行を調べた。 結果:^<14>C-フェニルアラニンを投与した場合、PAL阻害剤を使用しない場合は、リグニンが強く標識された。しかしPAL阻害剤で処理すると、放射活性のリグニンへのとりこみは著しく抑制された。一方^<14>C-グルコ-スを投与した場合、PAL阻害剤末処理の場合は、多糖類と同時にリグニンも強く標識された。しかし、PAL阻害剤で処理すると、リグニンへの放射活性の移行のみが抑制され多糖への移行は影響されなかった。^3H-ミオイノシト-ルを投与した場合、PAL阻害剤で処理しない場合でも、リグニンやセルロ-スへの放射活性のとりこみは低く、キシランのみが、選択的に標識されていることがわかった。
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