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魚病細菌の宿主組織への付着機構(細菌性鰓病原因菌Flavobacterium branchiophilaの場合)

研究課題

研究課題/領域番号 01560200
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 水産学一般
研究機関東京大学

研究代表者

若林 久嗣  東京大学, 農学部, 教授 (00011932)

研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワード魚病 / 細菌 / 鰓病 / Flavobacterium branchiophila / 線毛 / 付着
研究概要

マス類稚魚の飼育水槽に10^4CFU/m位の濃度になるようF.branchiophilaを加え、約1時間止水(通気)とした後、流水とした。18〜24時間後に実験魚を採上げ、走査型電顕で観察すると、鰓の一面に本菌が観察された。これの切片を作製し透過型電顕で観察すると、組織内に侵入している細菌は皆無であり、すべて組織表面より数ミクロン離れた位置に並列していることがわかった。ネガティブ染色した菌体には多数の線毛が観察されたが、切片標本においても組織と菌体の間に線毛の断片と考えられる糸状物が観察された。菌体浮遊液を0.5〜1分間ブレンダ-で撹拌しても生菌数は変化しないが、これを使って上記の感染実験を行なうと、鰓には殆ど細菌が観察されなかった。これらのことから本菌が線毛によって組織に付着後、繁殖することが明らかとなった。ブレンダ-と超音波を短時間作用させて菌体から解離させた線毛をDEAE-セルロ-ス、DE52イオン交換クロマトグラフィ-などを用いて精製した。精製した線毛標品は典型的なタンパク質の紫外部吸収曲線を示し、また、ネガティブ染色を施してその形態を透過型顕微鏡で観察したところ、菌体に付着していたものと同様のフィラメント状の形態が認められた。分子量をSDSゲル電気泳動(SDS-PAGE)によって推定したところ、分子量23,000であった。また、6N HClで24時間加水分解後、835型日立高速アミノ酸分析計を用いて分析したところ既報の他菌種の線毛のアミノ酸組成に類似していた。一方、線毛標品を家兎に接種して抗血清を作製し、線毛標品および各菌株の菌体成分間のゲル内沈降反応をオクタロニ-法で観察したところ、互いに癒合した一本の沈降線が形成された。従って、精製線毛の抗原性はF.branchiophilaの各菌株に共通であると判断された。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 若林久嗣: "Flavobacterium branchiophila sp.nov.,a causative agent of bacterial gill disease of freshwater fishes" International Journal of Systematic Bacteriology. 39. 213-216 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 許康俊: "Purification and characterization of pili from Flavobacterium branchiophila." 魚病研究. 25. (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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