研究概要 |
家蓄姿態の3次元測定を非接触法で行なう測定装置と3次元座標計算を行なう画像処理プログラムを開発した.測定装置はレ-ザによるスリット光を家蓄体表面に照射し,この映像をITVカメラでVTRに収録した後画像処理装置を通してマイクロコンピュ-タに取り込むものである.画像処理プログラムはコンピュ-タに取り込んだスリット光画像に2値化や細線化などの画像処理を施し,家蓄体表面上のスリット輝点の3次元座標を写真測量の原理に基づいて計算するものである. 本研究では生体重が27,65,88kgの剥製豚を供試家蓄とした.体軸方向に垂直なスリット光を体表面に照射した映像を0.5〜2cm間隔で全長にわたり収録した.映像をコンピュ-タに取込み,画像合成で得た輪切断面外周点の3次元座標を計算してデ-タファイル化した. 豚体表面は約2〜3.5万点の3次元座標で表現され,デ-タファイル化した豚の体尺寸法は実測値と2cm以下の差異であった.3次元透視投影変換の結果,豚のデ-タファイルはコンピュ-タグラフィックス法を用いることにより豚姿態を立体的に点表示できることが確認できた. 豚の体表面3次元座標デ-タファイルから体表面を3角形面素で構成する多面体表示方法を開発した.この方法は豚体を胴体部,耳翼部,前脚部,後脚部に分割した後,各部位において一定の断面間隔で体表面上の点をスプライン関数でサンプリングし,断面間において3角形面素を作製するものである.例えば27kg豚の胴体部を多面体表示したときの3角形面素数は7776,頂点数は3890,稜線数は11664であった.3次元透視投影図から輪郭線を抽出し,輪郭線を立体角投射法則に基づいて変換することにより豚体の立体角投射図が得られること,また3次元平行投影図から豚体表面に入射する直達日射量が算定可能であることを確認した.他の家蓄についても引き続き解析中である.
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