研究課題/領域番号 |
01560290
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 英明 京都大学, 農学部, 助教授 (80093243)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 卵細胞 / 細胞退行 / 卵成熟 / グリコスアミノグリカン / 卵母細胞生存延長因子 / cAMP |
研究概要 |
卵細胞の有効利用技術を確立するために(1)卵細胞退行の調節因子と(2)卵母細胞の成熟、受精、発生能力の改良方法について検討した。 1.卵細胞退行の調節因子 培養卵母細胞の成熟現象を解析する過程で卵丘細胞に卵母細胞の退行を抑える作用を認め、卵丘細胞の産生分泌物を蓄積すると考えられる卵胞液から卵母細胞の生存延長因子を分離し、生存延長因子はグリコスアミノグリカンの一種であることをすでに報告している。本年度において本因子の精製を進め、活性因子はヒアルロン酸類似物質であることを明らかにした。卵巣組織におけるグリコスアミノグリカンの分布を調べ、卵母細胞の退行に伴い周辺のコロイド鉄陽性物質が減少することを認めた。マウスの卵母細胞に観察される退行現象の類型化を試み、退行過程には一定の形態の認められることを明らかにした。卵母細胞の退行の初期過程は減数分裂の再開始像ときわめて類似していることから、退行と減数分裂の休止解除の間に相関があり、減数分裂再開始抑制因子の作用機序を調べることにより退行誘起調節のメカニズムも明らかにできると考えられた。また退行卵母細胞の動態を明らかにする過程でゴナドトロピンの一種であるFSHが退行卵母細胞の吸収消失に促進的に関与することを認め、FSHの新しい機能を示唆した。 2.卵母細胞の成熟、受精、発生能力の改良方法 卵巣に分布する卵母細胞の分離、分別、分取装置を試作するとともに、ウシとマウスの卵母細胞における成熟、受精、発生能力の発現機序を明らかにした。またcAMP誘導体(dibutyryl cyclic adenosine 3′、5′-monophosphate)により発育途上の卵母細胞の成熟能力を改良しうることを明らかにした。
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