研究課題/領域番号 |
01560305
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産化学
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
上原 幸吉 東京農工大学, 農学部, 教授 (10014953)
|
研究分担者 |
新井 克彦 東京農工大学, 農学部, 助手 (60175940)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | ケラチン / 毛(hair) / 細胞骨格 / 単クロ-ン抗体 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
牛毛ケラチンの有効利用を目的として、その可溶化生成物の特性解析を生化学的或いは免疫化学的手法を用いて行なった。 牛毛ケラチンにチオグリコ-ル酸ナトリウムによる還元的可溶化或いは過ギ酸による酸化的可溶化を行なった。還元的可溶化により、分子量5万から7万程度のポリペプチドを得ることに成功した。なお、過ギ酸による酸化的可溶化ではケラチンペプチドは非常に低分子化し、ゲル電気泳動等では追跡不可能となったため、今年度は還元的可溶化生成物についてのみ、その特性解析を行なった。この還元的可溶化生成物は、陰イオン交換クロマトグラフィ-で大きく3つの成分に分離された。この成分の分子レベルでの差異を解析するため、次に還元的可溶化生成物を抗原として、単クロ-ン抗体の作成を試みた。得られた単クロ-ン抗体(1704G)をELISA法、ウエスタンブロッティング法を用いて解析したところ、エピト-プは立体構造ではなく、ケラチンポリペプチドの一次構造上に存在すると考えられた。又、この単クロ-ン抗体は先の陰イオン交換クロマトクラフィ-で分離される3つの画分のうち最も低分子量域に存在する分子量5万2千のポリペプチドを認識すると理解された。なお、このエピト-プのより詳細な解析はペプチドマッピング及びロ-タリ-シャドウイング法を用い、現在検討中である。次に、この単クロ-ン抗体により認識されるケラチンピリペプチドの生体組織内での局在について、酵素抗体法による免疫組織科学的検索を行なったところ、毛母基、毛質、外毛根鞘等、毛の発生に関わる組織細胞のみ陽性反応を示し、他の重層扁平上皮、腺上皮細胞には全く陽性反応を示さず、この単クロ-ン抗体は毛質形成にのみ関与するポリペプチドを認識する非常に興味深い抗体であることが判明した。
|