研究課題/領域番号 |
01570003
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 順天堂大学 (1990) 東京大学 (1989) |
研究代表者 |
坂井 建雄 順天堂大学, 医学部, 教授 (90114488)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 糸球体 / 基底膜 / ボウマン嚢 / 近位尿細管 / 微細構造 / 腎臓 |
研究概要 |
(1)糸球体の微細形態:糸球体とくにメサンギウムの微細構造を、低温脱水法により処理したラット腎を使って、透過型電顕で観察した。その結果、メサンギウム細胞がアクチンフィラメントを含む突起を伸ばし、それが直接にあるいはミクロフィブリルを介して間接に糸球体基底膜に連絡し、これは機械的に保持していることが、形態学的に証明できた。この機械的保持は、毛細血管内の血圧に抗して、張力を発生するのが主な役割と考えられる。 (2)基底膜の微細形態:糸球体の濾過障壁の主役が基底膜であることは、一般に承認されている。その微細形態的な特徴を、低温脱水法により処理した試料の超薄切片の透過型電顕による観察、ならびに超高解像度走査型電顕により観察した。その結果、(1)糸球体基底膜は、線維状構造の網工とその網目を満たす顆粒状物質からなること、(2)その線維状構造は、張力を保持する等の力学的な役割をになうこと、(3)線維状構造の性質や配置は、腎臓の中の力学的環境の異なる何種類かの基底膜で異なること、が分った。 (3)糸球体の構造変化:実験条件下における糸球体の構造変化については、メサンギウム細胞の収縮状態を慢性的に変化させたラットのモデルを用い、光学顕微鏡ならびに透過型電子顕微鏡により、形態計測を行なった。その結果、メサンギウム細胞の収縮により糸球体に構造変化は起こすが、それが報告されている糸球体濾過係数の変化を説明するほどに大きなものではないことが分った。
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