研究課題/領域番号 |
01570017
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山科 正平 北里大学, 医学部, 教授 (90013987)
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研究分担者 |
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 助手 (10185887)
玉木 英明 北里大学, 医学部, 助手 (30155246)
瀬川 彰久 北里大学, 医学部, 講師 (50154638)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ゴルジ装置 / 耳下腺 / 発生 / 微小管 / 極性 / ブルフェルディンA / オスミウム浸漬法 / チアミンピロフオ-スファタ-ゼ / コンピュ-タグラフィックス / ブレフェルジンA / 分裂 / 唾液腺 / 腺房細胞 / 形状 / 電子顕微鏡 / 組織化学 |
研究概要 |
ラットの耳下腺腺房細胞では、ゴルジ装置がcis成分のみからなる小胞の集塊として発生し、ついでその小胞塊の中に2層ほどの真っ直ぐな層板構造が出現し、層板数を増加させながら管腔側に位置するようになる。層板構造が明瞭になっ後にはじめてtransの要素が出現する。やがて層板が湾曲して形態的にもtransとcisを区別できるようになるがその後になってtrans領域に分泌顆粒が出現するようになる。この経過で連続切片の電顕写真からコンピュ-タグラフィックスによりゴルジ装置の立体像を復構してみると、一個のゴルジ装置が次第に形状を複雑にしていくが、常に一つながりとなっているものであることが判明した。 またこの経過で微小管蛋白の分布を追跡すると、ゴルジ装置の形態と位置が規定される生後3日目頃にMTOCが存在部からゴルジ装置の方向に向けて微小管が存在する様子が認められ、ゴルジ装置の形状や位置決定に微小管が密接な役割を果たすことが推定された。 isoproterenolにより分裂を誘導した腺房細胞では、ゴルジ装置がcis領域を主体とする小胞塊となって分散し、娘細胞内で発生の過程におけると同様な経過で再構成されることが判明した。またbrefeldin Aにより粗面小胞体からゴルジへの分泌蛋白輸送を阻害させると、ゴルジ装置は小胞の集塊にまで退縮するが、決して消滅するものではないことを明らかにした。この際、退縮したゴルジ装置の小胞はcis領域を中心とした成分からなるものでtrans成分は含まれず、発生時や分裂時のゴルジ装置に酷似していた。 以上の研究を通じてゴルジ装置の構造上の主成分はcis領域にあり、微小管の作用によりそれが一つながりのものに安定化されており、機能層に応じてcis領域にmedialやtrans領域が添加されてゴルジ装置が成立しているものと推定した。
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