研究概要 |
一般に内臓平滑筋の興奮性作動薬受容体応答はCa,Na,Clイオンコンダクタンス上昇性脱分極として知られているが、我々はこのイオン機構と異なる膜抵抗増大膜脱大分極応答がモルモット精菅平滑筋のムスカリン(M)性、アドレナリン(NA)性受容体活性化で誘発することを見出した。本研究はこの脱分極発現のイオンチカネネル機構およびこのIONTROPI反応のMETABOLIC効果との関係を解明する目的として精管縦走筋電流、電圧クランプ条件下でM性、NA性受容体活性化応答について検討を加えてつぎの諸点を明らかにすることができた。1.M性、NA性脱分極電位の大きさ、イオン電流の方向は細胞外Kイオン濃度の増減により変化し両者の逆転電位はKイオン平衡電位と一致すること確認し、2.過分極電位パルスに対する過分極電流(非不活性化過分分極電流?)はAChおよびNAにより減少、抑制を受ける。3.脱分極性電流の薬理的性質ー1)各受容容体特異的遮断剤(atro pin,prazosin)により抑制される外に、NecolandilなどK-opennerにより減少する。以上9点よりこの電流はKイオン電流と推定できる。4.脱分極性電流に対するCa制御ー1)細胞外Caイオン濃度の増減、A23187,Caイオンホアに対して鋭敏に反応、2)高頻度脱分極パルズによるCa電流の増大することより細胞内Caにより調節されることが示唆される。5.細胞内代謝系と9関係ーDBCAMPおよびForskolinに対して優位な変化が認められこと一方、Adenylote,Cyclase系調節の介在は否定されるが、焼脂質代謝系、関与についてDiacylglycerolおよびIP_3関連性から現在検討中であるが結論が得られていない。6.M性受容体・NA性受容体活性化Kイオン電流の本質的な同一性について単一Kイオンチャネルレベルから実験検討中である。
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