研究課題/領域番号 |
01570054
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
吉富 宏治 自治医科大学, 医学部, 助教授 (60137354)
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研究分担者 |
今井 正 自治医科大学, 医学部, 教授 (40049010)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 遠位尿細管 / 接合尿細管 / 微小電極法 / ケ-ブル解析 / サイアザイド / コンダクタンス / 共輸送 |
研究概要 |
ウサギの接合尿細管を単離灌流し、微小電極法、イオンフラックス測定法、顕微蛍光測定法などを用いて、イオン輸送機序を解明した。 接合尿細管は2種類の異なる細胞群から成り立っている。即ち、接合尿細管細胞と間在細胞である。微小電極法を用いてそれぞれの細胞の持つ電気生理学的特徴を判別した。経上皮電位は-3.0±0.4mV(n=49)であり、経上皮抵抗は26.9±2.5Ωcm^2であった。このことは接合尿細管が比較的leaky epitheliaに属することを示す。基底側膜電位の分布は2群に分かれ、接合尿細管細胞は-73.1±1.1mV(n=77)であり、間在細胞は-28.1±1.1.8mV(n=39)であった。基底側膜抵抗分画はそれぞれ0.50±0.05(n=22)と0.04±0.01(n=9)であった。基底側膜のイオンコンダクタンスは、接合尿細管細胞が大きなK^+コンダクタンスと小さなCI^-コンダクタンスを有しているのに対し、間在細胞の基底側膜は大きなCI^-コンダクタンスのみから成り立っていた。 接合尿細管細胞の管腔側膜には、Na^+コンダクタンスとK^+コンダクタンスが存在し、間在細胞の管腔側膜には明らかなイオンコンダクタンスは存在しなかった。サイアザイド系利尿薬の一種であるtrichlormethiazide(TCM)を遠位曲尿細管(DCT)、接合尿細管(CNT)、皮質部集合尿細管(CCD)の管腔内に投与し、アイソト-プによるNa^+、Cl^-フラックスを測定したところ、CNTのみにおいて経上皮電位を換えずにNa^+、Cl^-フラックスを減少させた。このことはサイアザイド系利尿薬が電気的に中性なイオン輸送機構に作用し、その作用の局在は接合尿細管であることを示している(J Clin Invest 82:721-730,1988)。同時に、接合尿細管のなかでも間在細胞ではなく、接合尿細管細胞においてのみ、基底側膜電位の過分極を引き起こすことから、接合尿細管細胞の管腔側膜にNa/Cl共輸送担体が存在している。
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