研究課題/領域番号 |
01570067
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松田 博子 九州大学, 医学部, 講師 (10181736)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 内向き整流カリウムチャンネル / マグネシウムイオン / 心筋細胞 |
研究概要 |
心筋内向き整流カリウム(K)チャンネルの外向き電流は、生理的濃度の細胞内マグネシウム(Mg)イオンにより選択的に抑制され、内向き整流特性が生じる。Mg濃度が2-10μMの場合、外向きの単一チャンネル電流に単位電流の1/3と2/3の大きさのサブレベルが出現し、電流が流れないゼロレベルとチャンネルが完全に開いているレベルを含む4つのレベル間を行き来する。チャンネルが各レベルに滞在する時間が二項分布に従うことから、このチャンネルは3つの等しい伝導ユニットで成り立っており、それぞれの伝導ユニットが互いに無関係にMgによりブロックされると考えられる。 本研究では、内向き整流特性の機序についてさらに知見を得るため、コラゲナ-ゼで単離したモルモット単一心室筋細胞を用い、細胞内外のK濃度を変え、Mgブロックがどう変化するかを調べた。外向きに開いたチャンネルの平均電流を、細胞内Mg濃度0-100μMの範囲で測定し、Mgが存在しないときの値に対し標準化した。標準化電流とMg濃度の関係は伝導ユニット内の結合部位に1つのMgイオンが結合することを示した。標準化電流を電位に対しプロットすると、細胞内Kを45mMに減らした時のデ-タは内外とも150mMの対照時のデ-タと重なったのに対し、外液のKを30mMに減らした時のデ-タは約30mV負側に平行移動した。また解離定数を電位に対しセミログプロットすると、細胞内Kを減らした時のデ-タと対照時のデ-タが同じ直線(傾きは負)上に位置したのに対し、外液のKを減らした時のデ-タはやはり約30mV負側に平行移動した。これらの結果は外液のKイオンがMgブロックを緩和することを示す。緩和の機序として(1)外液のKがMgを結合部位から追い出す、(2)外液KとMgが結合部位をめぐり競合するという2つの可能性がある。サブレベルの解析は後者の機序によることを示唆した。
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