研究課題/領域番号 |
01570069
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
香山 雪彦 福島県立医科大学, 医学部・生理学第二講座, 教授 (30035224)
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研究分担者 |
浄土 英一 福島県立医科大学, 生理学第二講座, 助手 (50211975)
太田 守 福島県立医科大学, 生理学第二講座, 助手 (70191939)
伊東 正省 (伊藤 正省) 福島県立医科大学, 生理学第二講座, 講師 (30004609)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アセルチルコリン作動性ニュ-ロン / ノルアドレナリン作動性ニュ-ロン / セロトニン作動性ニュ-ロン / 逆説睡眠 / 覚醒 / 上行性網様体賦活系 / 外背側被蓋核 / 脳幹 / Cholinergic neuron / laterodorsal tegmental nucleus / noradrenergic neuron / locus coeruleus / reticular activating system / sleep / brain stem |
研究概要 |
1970年頃に存在や投射が確認された青斑核のノルアドレナリン(NA)作動性細胞にくらべて、1980年代に入ってはじめて固定されたアセチルコリン(ACh)作動性細胞については、その生理学的な特性や機能的意義についての研究は遅れている。そのACh作動性細胞が脳幹部で最も密集している外背側被蓋核(LDT)の細胞についてさまざまな電気生理学的研究を行なった結果、次のような結果を得た。 1.細胞外電極で記録したLDT細胞の活動電位は陽性成分の幅0.7ms,陰性成分の幅2.5msを境にして、幅広スパイクと幅細スパイクに明確に分類できた。それらのうち上行投射ニュ-ロンの割合を解剖学のデ-タと照らし合わせた結果、前者がACh作動性であると結論された。 2.その幅広スパイクに相当する活動電位を発する細胞を、脳幹のスライス標本のLDT内で細胞内電極によって記録できた。(この実験は次の実験に集中するためにこの段階よりさきに進められなかった。) 3.今回の研究で得られた最も興味ある所見は上記ACh作動性と推定された細胞の睡眠・覚醒に伴うふるまいである。青斑核のNA作動性細胞は均質な性質を持つ細胞群で、例外なく覚醒時に最も発火頻度が高く逆説睡眠時にほとんど発火を停止するのと対照的に、ACh作動性細胞は(1)さまざまな性質を持った細胞が混在しており、(2)その中の約40%は他のどの汎性投射細胞にも見つかっていない、逆説睡眠時に特異的に高い活動状態を示し覚醒時にほとんど発火を停止する、という特徴を持っていた。(背側縫線核内で記録されたセロトニン作動性と思われる細胞はNA作動性細胞と同じふるまいを示した。)この結果は、逆説睡眠の導入と維持にACh作動性投射系が決定的に重要な役割を果たしていることを示している。ただし、この投射系の覚醒に関する役割はあまり大きくないと思われるが、まだ十分には明らかにできていない。
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