研究課題/領域番号 |
01570077
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
平井 直樹 杏林大学, 医学部, 教授 (40086583)
|
研究分担者 |
田中 裕二 日本大学, 医学部, 助手 (40179792)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 脊髄小脳路 / 脊髄 / 小脳 / 呼吸 / 運動制御 |
研究概要 |
平成1ー2年度の研究の目的として掲げた課題と、それに対する研究成果を以下にまとめる。 1 呼吸運動に関連する胸髄起始脊髄小脳路細胞(SCT)の同定: 1)クラ-ク柱およびその周辺のSCT細胞は同側上行性であった(iーSCT)。 2)Rexedの第V、VIII層のSCT細胞は対側上行性細胞であった(cーSCT)。ることが明らかになった。 2 iー,cーSCT細胞活動の呼吸運動に伴う動的応答の違い:自発呼吸と人工呼吸下での細胞活動の比較を行ない、次の様な性質の相違が明らかになった。 1)iーSCT:呼吸中枢リズムとは無関係に、呼吸運動に伴う胸郭の動きに対応する活動がみられる。迷走神経切断後もリズム活動が存続することから、肺の拡張・収縮とは無関係である。 2)cーSCT:人工呼吸下で気胸した状態、すなわち胸郭の動きがない状態でも横隔神経でモニタ-された呼吸中枢リズムに対応した活動がみられる。この細胞群のなかには、呼吸中枢リズム(中枢指令)とともに、胸郭の動きに伴った。(末梢性入力による)活動の変化が見られた細胞も存在した。このとき、中枢による活動と末梢性入力による活動とは拮抗するように作用しており、中枢性入力と運動遂行のフィ-ドバック情報の脊髄内"比較器"の機能をになっている可能性が示唆された。 3 以上の結果から、交叉性SCT細胞は呼吸運動の中枢性指令を、一方、非交叉性SCT細胞は末梢性情報をモニタ-していることが明らかになった。呼吸運動の調節にどのように関与しているかは、今後、小脳内細胞の解析が必要であろう。
|