研究課題/領域番号 |
01570078
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
木村 純子 山形大学, 医学部, 助手 (10186322)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 心筋 / Na-Ca交換 / 膜輸送 / 膜電流 / パッチクランプ法 / Na-Ca交換電流 / ストイキオメトリ- / Caイオン |
研究概要 |
今年度は、3つの事をした。1つめは、岡崎の生理学研究所から山形大学医学部薬理学教室に赴任して、パッチクランプ装置を完成した。2つめは、研究課題の一つであった、「心筋のNa-Ca交換は同時型かピンポン型か」の問いに答える為、モルモット単一心室筋細胞でNa-Ca交換電流の大きさを、様々なイオン条件下で測る実験を行い、そのデ-タの解析を、統計用コンピュ-タ-ソフトSASを用いて、詳細に行った。細胞内Naの濃度を高くすると、細胞外CaのNa交換担体に対する親和性は、低くなる(CaのKm値は、大きくなる)。この結果は、同時型の3型のうち2型、即ちKm=Kd型とKm<Kd型を否定し、ピンポン型か、同時型の残りの1型、即ちKm>Kd型を支持する。これら後2者のうちどちらかを決定するのは、Km/lmax値である。この値は、細胞内Naの濃度が高くなると、小さくなる傾向を示したので、同時型(Km>Kd)のように見える。しかし、その値が小さく、信頼限界が、異なる細胞内Na濃度間で大部分重なってしまうため、Km/lmax値に有意差があると断定できない。従って、ピンポン型か同時型のうちのKm>Kd型のどちらかを結論付けることが困難であった。そこでこの問題は、引き続き次年度に別の実験方法で調べることにした。ここまでの経過は、論文にまとめ、Journal of General physiologyに投稿し、受理された。3つめは、心筋では、Kイオンは、Na-Ca交換で運ばれていないことを明らかにした。これは、眼の桿体細胞のNa-Ca交換とは、異なる性質である。これについては、Pflugers Archievにショ-トコミュニケ-ションとして発表した。
|