研究課題/領域番号 |
01570086
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
瀬戸 勝男 高知医科大学, 医学部, 教授 (70045970)
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研究分担者 |
高橋 徹 高知医科大学, 医学部, 助手 (60216736)
佐藤 隆幸 高知医科大学, 医学部, 助手 (90205930)
糀 秀人 (椛 秀人) 高知医科大学, 医学部, 助教授 (50136371)
田所 美佳 高知医科大学, 医学部, 助手 (00227117)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1990年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 寒冷曝露 / 大脳辺縁系 / 視床下部 / アミノ酸代謝 / ウサギ / 肝臓 |
研究概要 |
大脳辺縁ー視床下部系の肝のアミノ酸および関連物質の代謝調節に対する関与機構ならびにその関与機構と反復寒冷曝露に対するアミノ酸の代謝反応との関係をより明らかにするために以下のような実験を行った。すなわち、先ずウサギの肝におけるフェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシンおよびグルタミン酸(以下これらのアミノ酸を合わせて単にアミノ酸と記載する)の代謝像に対する大脳辺縁ー視床下部系の電気刺激(以下刺激と略記)あるいは両側性の通電破壊(以下破壊と略記)の影響について観察した。継いで、寒冷曝露を毎日反復した場合の肝におけるアミノ酸の代謝像について検索するとともに、大脳辺縁ー視床下部系の諸部位を破壊したウサギを用いても同様の実験を行った。得られた結果は次の通りである。 1.大脳辺縁系の背側海馬(以下馬海と略記)の刺激および海馬と視床下部との肝の神経経路とされている背側脳弓(以下脳弓と略記)の破壊は肝でのアミノ酸の代謝像を変化させるとともに、これらのアミノ酸の代謝に対する海馬の刺激の作用は脳弓の破壊によって消失する傾向にある。 2.内側扁桃核(以下扁桃核と略記)の刺激および扁桃核と視床下部との間の神経連絡路とされている分界条の破壊はアミノ酸の代謝像を変化させるとともに、このアミノの代謝に対する扁桃核の刺激の作用は分界条の破壊によって消失する傾向にある。 3.視床下部腹内側核(以下腹内側核と略記)、視床下部弓状核(以下弓状核と略記)および視床下部外側核の刺激および腹内側核あるいは弓状核の破壊は肝におけるアミノ酸の代謝像を変化させるとともに、腹内側核および弓状核の刺激のアミノ酸の代謝に対する作用は、両部位の破壊によって消失する。 4.ウサギに1日12時間づつ寒冷曝露を7日間反復した場合、第1日の寒冷曝露は肝のアミノ酸の代謝像を著しく変化させるが、この曝露作用の効果は曝露に回数の増加に伴って次第に減少し、ついには消失することを認め、しかしこの現象は反復寒冷曝露に対するアミノ酸の代謝適応が成立したことを示していることを他の種々の実験によって明らかにしている。 5.腹内側核および弓状核の破壊は第1日の寒冷曝露に対するアミノ酸の代謝反応を変化させるが、反復寒冷曝露に対するアミノ酸の代謝適応に成立過程に対しては無影響である。 6.脳弓および分界条の破壊は第1日の寒冷曝露に対するアミノ酸の代謝反応を変化させるとともに、反復寒冷曝露に対するアミノ酸の代謝適応の成立に対しても著しい影響を与えている。
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