研究課題/領域番号 |
01570092
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菅野 盛夫 北海道大学, 医学部, 教授 (00109422)
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研究分担者 |
當瀬 規嗣 北海道大学, 医学部, 助手 (80192657)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ボツリヌス菌C_3毒素 / 低分子G蛋白 / チロシンキナーゼ / インスリン / イオンチャネル / 心筋細胞 / 百日咳菌毒素 / alpha_1-受容体 / ウサギ単一心筋細胞 / αー受容体 / Ito / Ik / ボツリヌス毒素 / ボツリヌスC型毒素 / 一過性外向き電流 / α-受容体 / ラット / 単一心筋細胞 |
研究概要 |
20-21 KDの低分子GTP結合蛋白質(G蛋白)および内因性チロシンキナーゼが細胞内情報伝達機構に積極的、かつ、動的に関与している可能性を探るために本研究を計画した。受容体刺激の最終的なエフェクターとしてイオンチャネルが少なからず認められていること、および、心筋細胞にあって多彩な細胞反応を惹起するが、その細胞内情報伝達の機構が不明であるalpha_1-受容体の最終エフェクターの一つにイオンチャネル(I_<to>)があることから、低分子G蛋白およびチロシンキナーゼの心筋細胞膜イオンチャネルに及ぼす影響を検討した。 使用した心筋細胞はウサギ心室筋からコラゲナーゼ法で得た単一心室筋細胞である。また、ウサギおよびモルモット右心室乳頭筋も実験に用いた。得られた成果は下記にまとめられる。 1.低分子G蛋白(rho蛋白)をADP-リボシル化する精製ボツリヌス菌C3毒素によってウサギ心筋細胞を処理しても、心筋細胞の電気的興奮を決定する活動電位を形成する主要な膜電流(I_<Na>、I_<Ca>、I_K、I_<Kl>、I_<to>)になんら影響が認められず、少なくとも、rho蛋白のイオンチャネルへの関与は否定的である。 2.インスリンによるインスリン受容体がもつ内因性チロシンキナーゼの活性化も心筋細胞の主要な膜電流に影響をおよぼす可能性がないことを明かとなった。しかし、Na^+ポンプ電流を抑制する結果を得た。この成績は、従来の報告、すなわち、インスリンによる静止膜電位の過分極とは矛盾する結果であって、今後検討を要する。 3.百日咳菌毒素(PTX)によってADP-リボシル化される高分子G蛋白(恐らくGi)は、alpha_1-受容体刺激の細胞情報伝達の流れに直接関与していないが、間接的に、phospholipase Cによる phosphatidyl inositides水解も含めてalpha1-受容体機構に緊張的な抑制を与えていることが明かとなった。この生物学的意義は今後の課題である。
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