研究課題/領域番号 |
01570096
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
重信 弘毅 東邦大学, 薬学部, 教授 (50012654)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ラット心筋 / 胎児期心筋 / 出生後心筋 / 交換神経支配 / 伝達物質 / 薬物感受性 / β-受容体 / 器官培養 |
研究概要 |
神経支配以前あるいは除神経後の心筋は交感神経伝達物質ノルエピネフリン(NE)に対して高い感受性を示すという事実などから、神経支配が伝物質感受性に影響を及ぼすことはすでに著者その他によって実証されている。神経支配以前のラット胎児期心房は高い感受性を示し、神経支配の成立した生後の心房は感受性が低下するが、胎児期心房を器官培養すると高い感受性が保たれ、生後心房を器官培養すると感受性が高くなる。そこで、胎生期心房の高感受性の維持と生後心房の高感受性の獲得を指標として、神経由来の液性因子を検索することを目的とした。本年度試験可能であったのは次のような物質であるが、これらを培養液中に添加して感受性の変化を調べた。即ち、ラット血清、右心房抽出液、上頸神経節抽出液、輸精管抽出液、カルバコ-ル、コルチゾン、チロキシン、ニュ-ロペプチドY、インシュリンなどは感受性変化に全く影響を与えなかったが、NEのみが生後心房の高感受性獲得を抑制した。また、同様の作用はイソプロテレノ-ルでも見られること、ド-パでは認められないこと、このようなNEの作用がβ-遮断薬では抑制されるが、α遮断薬では抑制されないことも確認した。更にカルシトニン遺伝子関連ペプチド、フォルスコリン、8-ブロモcAMPなどが弱いながらもNE同様の作用を示すことも見出した。これらの結果から本年度の結論としては、交換神経末端からのNEがβ-受容体に作用することによって感受性が低く保たれており、その作用は恐らく細胞内cAMPの上昇を介するものであろうという示唆が得られた。但し、添加したNEの濃度がやや高すぎるなど、今後の検討を要する課題もいくつか残っている。
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