研究課題/領域番号 |
01570114
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
安原 一 昭和大学, 医学部, 教授 (70053999)
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研究分担者 |
植田 孝子 昭和大学, 医学部, 助手 (00175499)
小林 真一 昭和大学, 医学部, 助教授 (20129836)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 肝薬物代謝酵素 / 多様性 / 指標薬物 / アンチピリン / トリメタジオン / デブリソキン / 外挿 / エノキサシン / チトクロ-ムPー450 / ラット |
研究概要 |
ヒトにおいて遺伝的多様性があることが知られているデブリソキン水酸化酵素に対するキニジン、キニンの阻害作用をラットとヒトの肝ミクロゾ-ムを用いて検討した。キニジンはヒト肝の本酵素に対し強い阻害作明を示したが、その異性体であるキニンはその阻害作用が約60倍弱かった。一方、ラットではキニンの阻害作用がキニジンに比し約50倍強力であった。またキニジン、キニンとも本酵素活性を95%以上阻害し、阻害様式はそれぞれ競合的、可逆的であった。この結果は肝のチトクロ-ムPー450 db_1の活性中心の特性がラットとヒトでは異なることを示している。ジルチアゼムのラット、ヒト肝薬物化酵素に対する影響を検討した。ラットでは、トリメタジオン代謝、4ーヒドロキシアンチピリンの尿中排泄は増加したが、デブリソキンの4位水酸化反応は抑制された。一方、ヒトでは、アンチピリンクリアランスは減少し、特に4ーヒドロキシアンチピリンのフォ-メイションクリアランスが減少した。デブリソキンの水酸化も抑制されたがトリメタジオン代謝は著変をしめさなかった。この結果は、アンチピリンの4位水酸化反応に対してジルチアゼムの作用がラットとヒトでは全く逆であるが、デブリソキンの4位水酸化反応に対する作用はラットとヒトで同様であることを示している。エノキサシンのラット、ヒト肝薬物代謝に対する影響を検討した。3ーヒドロキシメチルアンチピリン、ノルアンチピリンのフォ-メイションクリアランスはラットではそれぞれ減少、増加したが、ヒトではアンチピリンの主要代謝物のクリアランスはすべて減少した。トリメタジオンの代謝はラット、ヒト共に著変を示さなかった。以上の結果より、肝薬物代謝に関するデ-タを動物からヒトへ外挿するためにはその差異に十分注意し、さらに多くの指標薬物で検討することが大切であることが示唆された。
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