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脳の新しいCl^-輸送系の性質

研究課題

研究課題/領域番号 01570116
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 薬理学一般
研究機関関西医科大学

研究代表者

稲垣 千代子  関西医科大学, 医学部, 教授 (60025640)

研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード脳 / Cl^- / 塩素イオン / ATP / イオンポンプ / 神経細胞 / Cl^-ーATPase / Cl^-ポンプ
研究概要

ラットの脳組織から調整したEDTA処理膜顆粒は、直径200〜500nmの閉鎖単層膜顆粒から成り、高いCl^--ATPaseおよびNa,K-ATPase活性を示した。この膜顆粒は、1mMウアバイン存在下で、浸透圧反応性のATP依存性Cl^-蓄積活性を示した。諸種ヌクレオチドのうち、ATP(Km=1.5mM)が最大Cl^-蓄積活性を示し、GTP、ITPおよびUTPが若干のCl^-蓄積活性を示したが、CTP、β、α-メチレンATP,ADPおよびAMPは、この活性を示さなかった。膜顆粒のATP依存性Cl^-取り込みは、Cl^-濃度依存性(Km=7.4mM)、pH依存性(至適pH7.4)および温度依存性(至適温度37-42℃)であった。エタクリン酸は用量依存性にCl^-取り込みを阻害し、Kiは57μMであった。N-エチルマレイミド(0.1mM)は、このCl^-取り込みを完全に阻害し、バナジン酸(1mM)も部分的阻害を示した。膜顆粒は、Cl^-取り込みに伴ってH^+を蓄積することなく、またCl^-取り込みはH^+輸送阻害剤であるDCCD(1mM)により全く影響されなかった。
これらの結果は、すでに報告した脳Cl^-ATPaseの諸性質とよく一致するものであり、脳の神経細胞膜に存在するCl^-ーATPaseが能動的にCl^-を輸送し神経細胞内外の大きなCl^-濃度勾配を形成する、との考えを強く支持するものである。
今後、このATP依存性の能動的Cl^-輸送(Cl^-ポンプ)が神経興奮によりどのように調節されているかを、培養神経細胞およびCl^-感受性蛍光色素を用いて、明らかにする予定である。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tsutomu Shiroya他: "An ATP-driven Cl^-pump in the brain." Journal of Biological Chemistry. 264. 17416-17421 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Tsutomu Shiroya他: "ATP-dependent and DCCD-insensitive Cl^- uptake by mimbrane vesicles from the rat brain plasma membrane fractions." Biochem.Biophys.Res.Commun.160. 459-463 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Reiko Fukunaga他: "ATP-dependent H^+ transport in synaptosomal membreane vesicles of the rat brain." Biochem.Biophys.Res.Commun.159. 1045-1050 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Masafumi Inoue他: "Intracerebroventricular injection of ethacrynic acid induces status epileptics." European Journal of Pharmacology. 166. 101-106 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Reiko Fukunaga他: "Effects of ethanal on synaptosomal membrane potential in the rat brain." Folia pharmacologica japonica. 94. 119-122 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Masafumi Inoue他: "Ethacrynic acid-induced convulsions and brain noradrenaline." European Journal of Pharmacology.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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