研究課題/領域番号 |
01570151
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 孝雄 東京大学, 医学部(医), 助教授 (80127092)
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研究分担者 |
脊山 洋右 東京大学, 医学部(医), 教授 (90010082)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | クモ膜下出血 / 脳血管攣縮 / リポキシゲナ-ゼ / ロイコトリエン / 脂質過酸物 |
研究概要 |
クモ膜下出血は働き盛りの世代におこる疾患で、約3割が即死する。脳死をのがれた患者の多くに遅発性の脳血管攣縮がおこり、これによる脳虚血が患者の予後を著しく悪化させている。本研究は、この遅発性血管攣縮の成因を明かにする目的で、特に血液槐より生ずる酸化ヘモグロビンと脂質過酸化物の役割と、病巣に浸潤する好中球の役割について検討を加えたものである。 (1)血管攣縮病態モデルにおけるロイコトリエンの役割。 成犬の大槽内に自家血を注入し血管攣縮モデル動物を作製した。動物の脳底動脈は注入後、6日目で最も強い収縮を示し、16日目にほとんど正常に回復した。最も収縮の強い6日目の血管を摘出しロイコトリエン産生能を比較したところ、病態群で正常群と比べて顕著な産生増加が認められた。(p<0.01)ロイコトリエン生合成に至る各種酵素の活性を比較したところ、病態血管で5-リポキシゲナ-ゼの蛋白誘導がおきている事が明かとなった。5-リポキシゲナ-ゼはカルシウムイオン、ATPの他脂質過酸化物で活性化を受ける事も明かとなった。 (2)攣縮血管の組織学的検討。 モデル動物の攣縮血管は内皮の脱落、中膜の肥厚が認められ、またマクロファ-ジ、好中球等の浸潤が認められた。5-リポキシゲナ-ゼ蛋白の増加は、これら細胞の持ち込みによるものか、あるいは血管内での誘導かの結論は出なかった。 (3)新しいモデル動物の開発。 血小板より放出される12-ヒドロペルオキシ酸(脂質過酸化物)を脳室内に注入したところ、自家血注入よりさらに高度の脳底動脈攣縮をおこす事ができた。脂質過酸化物がロイコトリエン産生を促進したためと考えられるが、新しい病態モデルとなりうると思われる。
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