研究課題/領域番号 |
01570164
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
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研究分担者 |
安藤 正幸 熊本大学, 医学部, 助教授 (00040204)
甲木 孝人 熊本大学, 医学部, 講師 (40040191)
山本 哲郎 熊本大学, 医学部, 助教授 (60112405)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / 病因論 / 活性酸素 / ス-パ-オキシドディスムタ-ゼ / フリ-ラジカル / ラジカルスカベンジャ- / 慢性ウイルス肝炎 / 慢性ウイルス疾患 / 活性酵素 / プロテア-ゼ / 複合感染 |
研究概要 |
インフルエンザウイルスのマウス感染実験系において、細菌の産生するプロテア-ゼの存在によってウイルスの増殖が100倍も増加し、マウスの死亡率は大巾に増大した。このときの死因の原因としてウイルスを想定し、肺胞腔内のウイルスを定量したところ、ウイルスはマウスの死亡時には消失していることがわかった。つまり、マウスの直接の死因はウイルスではないと考えられた。そこで活性酸素を病因と仮定してその定量を行ったところ、O^-_2の産生が100〜400倍も肺胞腔内では増加し、血中でも10〜20倍増加していた。これが何に由来しているかを検索した結果キサンチンオキシダ-ゼによっていることがわかった。これはO^-_2の産生量と比例して増えていた。また、この酵素の基質であるヒポキサンチンとキサンチンの供給がこの説明には必要である。そこでアデノシンデアミネ-スによるアデノシン分解の亢進とそれにつづくイノシンヒポキサンチンとキサンチンの生成が生じいてることをHPLCを用いて同定することが生じた。 以上の結果は世界ではじめてウイルス感染症における活性酸素の病因論を明らかにしたものである。この裏付けとして活性酸素のスカベンジャ-酵素であるス-パ-オキシドディスムタ-ゼに高分子を付加したものをウイルス感染マウス投与することによって90%の生存を達成することが出来た。 この研究の成果は病原ウイルスそのものが直接の病因因子ではなく宿主の過剰免疫応答反応によるフリ-ラジカルであることを同定した訳で、この種の病因論は応義の自己免疫疾患といえる。最近ウイルス性肝炎で慢性化の予後をとるものにこの考えを当てはめ病因機序の解明とそれにもとずく治療法を考え発展させている。
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