研究課題/領域番号 |
01570171
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森 尚義 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (90045732)
|
研究分担者 |
角田 力弥 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40045779)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | T-ALL / T-LL / Leu4抗原(CD3) |
研究概要 |
T-ALL(T細胞性急性リンパ性白血病)やT-LL(Tリンパ芽球性リンパ腫)は正常胸腺Tリンパ球の分化段階にあたる腫瘍と考えられている。最近T-ALLやT-LL症例で胞体内leu4抗原(cLeu4)と表面Leu4抗原(sLeu4)発現の不一致が報告され、更にcLeu4がsLeu4発現に先行することも明らかにされている。しかしながらこれを形態的に証明した報告は未だ無い。我々は免疫電顕を用いてこれらの症例(T-ALL9例、T-LL8例)におけるLeu4(CD3)抗原の局在を検討した。また種々の単クロ-ン抗体を用いてLeu4抗原発現との比較検討を行った。更に対照として8例の末梢性Tリンパ腫についても同様に検索した。その結果検索したT-ALLないしT-LL症例のほとのどはLeu9(CD7)、Leu1(CD5)、Leu4(CD3)が陽性であった。OKTII(CD2)は6例陽性、6例は弱陽性であった。OKT6(CD1)は7例陽性、、Leu3(CD4)、Leu2(CD8)はそれぞれ5例、6例陽性であった。従来Leu4抗原はLeu9、Leu1、OKTIIなどの後に発現されるものとされてきたが、今回の我々の検索によりLeu9、Leu1と同様胸腺リンパ球の早期より発現されるものと考えれらる。Leu4については免疫電顕的にも検討した。その結果OKT6陰性のearly thymocyteレベルの腫瘍では10例すべて胞体内Leu4陽性(cLeu4^+)、細胞表面Leu4陰性(sLeu4^-)であったのに反して、OKT_6陽性のcommon thymocyteレベルの腫瘍ではcLeu4^+sLeu4^-、cLeu4^-sLeu4^+、cLeu4^+sLeu4^+など種々であった。対照として検討した8例の末梢性Tリンパ腫では1例を除きすべてcLeu4^+sLeu4^+であった。これらの結果よりearly thymocyteレベルのTリンパ球ではcLeu4^+sLeu4^-であり、common thymocyteレベルの段階でcLeu4^-sLeu4^+となり、末梢Tリンパ球へと分化してゆくものと推測される。従来よりT-ALLはT-LLより末分化な腫瘍と考えられてきたが、我々の検索でもT-ALL9例中2例のみがOKT6^+であったのに対して、T-LLでは8例中5例がOKT6^+であったことより、T-ALLはT-LLより末分化な段階のT細胞性腫瘍と言える。
|