研究課題/領域番号 |
01570179
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
細田 泰弘 慶應義塾大学, 医学部・病理学教室, 教授 (90051218)
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研究分担者 |
山崎 一人 慶應義塾大学, 医学部・病理学教室, 助手 (40166640)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 肺高血圧症 / 形態計測 / plexiform lesion / 原発性肺高血圧症 / 膠原病 / 肺血管 |
研究概要 |
原発性肺高血圧症(PPH)および膠原病諸疾患における肺高血圧症の肺血管病変の病理像について、形態計測法ならびに三次元再構築法を用いて比較検討した。〔対象〕過去20年間の剖検例、全身性エリテマト-デス(SLE)、全身性硬化症(PSS)、重複症候群(OLS)、混合性結合組織病(MCTD)および原発性肺高血圧症(PPH)、各36、14、6、15、6例とした。〔方法〕高血圧性肺血管病変として、筋型動脈のplexiform lesion(PL)、necrotizing angiitis(NA)に着目し、これらの病変を中心として、血管径・血管壁肥厚度の計測、連続組織標本作製による三次元再構築を行った。〔結果、考察〕SLE、OLS、MCTD、PPHの各6、1、9、6例に、肺間質病変を伴わない高血圧性肺血管病変があり、うち、各4、1、6、2例にPLを、各3、1、1、2例にNAを認めた。また、MCTDでは間質性肺炎を伴う6例のうち2例にPLを認めた。PLは、径400μm以下、主として200μmあたりの血管に分布し、高度の中膜肥大・内膜肥厚を伴っていた。三次元的にみると、PLは血管分岐直後からある範囲にわたって形成されるものが多かった。NAは少数であったが、径200μmあたりの血管に認められた。PL、NAの形態像や出現頻度に関し、諸疾患間での明かな差異はなかった。PPHで上記2例を除くうちの2例はrecurrent thromboembolismに相当する組織像を呈し、一方、pulmonary veno-occlusive diseaseに相当する症例はなかった。膠原病諸疾患では、recurrent thromboembolismやpulmonary veno-occlusive diseaseと同様の組織像を呈する症例はなく、いずれもPPHのplexogenic pulmonary arteriopathyと同様の変化であった。PL、NAと、中膜肥大、内膜増殖性病変との関連、および、plexogenic pulmonary arteriopathyと膠原病諸疾患との関連が注目された。
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