研究課題/領域番号 |
01570181
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
菊池 昌弘 福岡大学, 医学部, 教授 (80078774)
|
研究分担者 |
大島 孝一 福岡大学, 医学部, 助手 (50203766)
岩崎 宏 福岡大学, 医学部, 教授 (90101170)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | Kikuchi's disease / tubuloreticular structure / 2'5'oligoadenilate acetate synthetase / interferon / 組織球性壊死リンパ節炎 / plasmacytoid monocyte / HHVー6 / 組織球性壊死性リンパ節炎 / インタ-フェロンアルファ- / 2'5'オリゴアデニ-ル酸合成酵素 / ヒトヘルペスウイルス6型 / 組織球性壊死性リンパ節炎(HNL) / 2´5´オリゴアデニル酸(2ー5A)合成酵素活性 / 増殖細胞 / 二重染色 / CD8(cytotoxic / suppressor) |
研究概要 |
組織球性壊死性リンパ節炎(HNL)についての免疫組織学的並びにウイルス学的検討を行なったが、リンパ節病変部に見られるリンパ球はT細胞性が主ではあるが増殖細胞はCD8+、CD15ーのcytotoxic細胞であること、同時に見られるCD4陽性細胞の多くがKiーM1p陽性のplasmacytoid monocyteとされる特異な細胞群であり病変部での増殖は見られないことを明らかにした。このことは従来helperーinducer T細胞と考えられていた病変部に見られるCD4陽性細胞がそれとは機能的には異なる細胞であり、本疾患の細胞反応は単なる遷延感作の反応とするには問題であることを示すものであるが、このplasmacytoid monocyteの機能や疾患との関連については今日なお明らかでない。HNLはこの細胞研究の有力なモデルとなり得る。病変部細胞にinterferon産生に関与するとされるtubuloreticular structureが多く認められ組織学的に病変部にinterferon産生の増加があり、その態度はウイルス感染に対する反応に一致すること、さらにウイルス感染初期に上昇する2'5'oligoadenilate acetate synthetaseの血清中での上昇を明らかにしたことは本症の発症にウイルスが関与する可能性が極めて大きいことを示すものであった。ウイルスの検索では病変部のスタンプ標本で大型リンパ球と組織球の膜表面にHuman Herpes Virus type VI(HHVー6)抗原を見出すことから、組織内でのHHVー6遺伝子検出を試み病変の見られるリンパ節にこのウイルスが存在することを証明した。ただこのウイルスはin situ hybridizationで病変部に陽性細胞が特に増加している像は見られず、また本疾患以外の各種感染性疾患や腫瘍リンパ節でも多くの症例でこのウイルスを認めたことから、本疾患との直接の関係を明らかにし得なかった。本病変はリンパ節を主に侵すが、その他骨髄や皮膚にも組織学的に同様な病変が見られ、リンパ節病変と同様に悪性リンパ腫との鑑別が問題となることを明らかにした。
|