研究課題/領域番号 |
01570184
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
矢倉 英隆 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学, 副参事 (60166486)
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研究分担者 |
水野 一也 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学, 主任研究員 (00219643)
荻本 真美 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学, 主事研究員 (80158609)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 自己免疫病 / 抗体クラス変換 / チロシンフォスファタ-ゼ / CD45 / Lybー2 / ILー4 / 抗体クラス / Lyー5(CD45) / 自己免疫 / モノクロ-ナル抗体による治療 |
研究概要 |
我々は、細胞質内領域にチロシンフォスファタ-ゼ活性を有する分化抗原CD45が、IgGへのクラス変換をB細胞のレベルで制御していること、B細胞分化抗原Lybー2がILー4によるIgG1へのクラス変換に関与していることをすでに明らかにしている。本研究は、CD45、Lybー2のクラス変換における役割を遺伝子レべルで解明し、これらの成果がIgGへのクラス変換に異常を示す自己免疫病の修復に応用可能か否かを探ることを目的として計画され、以下の結果を得た。1.CD45、Lybー2によるクラス変換の制御機構:CD45、Lybー2抗体は、それぞれLPSにより誘導される成熟型のγ2b、γ3mRNA、LPSとILー4により誘導されるγ1mRANの発現に対して抑制効果を示した。次に、遺伝子組み換えの起こる以前にみられるゲノム遺伝子転写産物出現過程への関与を検討した。その結果、CD45抗体は、LPSによるγ2b、γ3ゲノム遺伝子転写産物の発現を、またLybー2抗体は、γ1ゲノム遺伝子転写産物の発現を抑制することが明らかになった。以上の結果から、CD45、Lybー2を介するシグナルは、クラス変換に伴う遺伝子活性化の極めて初期のゲノム遺伝子の転写が起こる過程を制御していることが示唆された。2.IgG産生を抑制するCD45抗体による自己免疫病治療の試み:早期にIgGへのクラス変換がおこり病態が増悪する自己免疫病モデルマウスBXSB♂マウスに、CD45抗体を生後5週から24週まで投与し、病態について対照群と比較検討した。抗体投与群では、蛋白尿、腎病変、死亡率、及びIgG型の抗DAN抗体価がいずれも対照群に比して、改善されていた。すなわち、CD45抗体がある種の自己免疫病治療のオプションとして有用であることを示唆している。
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