研究課題/領域番号 |
01570185
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
武内 利直 千葉大学, 医学部, 助手 (00167488)
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研究分担者 |
田丸 淳一 千葉大学, 医学部, 助手 (30188429)
三方 淳男 千葉大学, 医学部, 教授 (40051289)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ホジキン病 / 疾患感受性遺伝子 / RFLP / HLA |
研究概要 |
ホジキン病に関連する疾患感受性遺伝子を同定するために、まず従来白人患者で報告されていたHLAとの相関を、組織学的に確実に診断された日本人患者を対象として検索した。今回の研究のために血液を採取できた患者数は25人であったが、そのうち従来の血清学的方法によりHLAがタイプ可能であったのは14人であった。また、25人のホジキン病患者血液とそれと同数の健康者からDNAを抽出して、制限酵素Msplで断片化した後、数種のDNAプロ-ブを用いてサザンハイブリダィゼ-ションを行い、得られたRFLPの検討を行った。血清学的タイピングの結果を第3回アジア・オセアニア組織適合性ワ-クショップの抗原頻度のデ-タと比較すると、白人患者の場合とは異なりHLA-Bw48(27%)、HLA-DR4(64%)及びHLA-DQw4(21%)の増加が認められた。この結果を同ワ-クショップのデ-タをもとに統計学的に検討したところ、HLA-Bw48とホジキン病との間には有意の相関が認められ(x^2=14.7、p<0.01)、HLA-DR4、DQw4との間には有意の相関は認められなかった(x^2=3.1、x^2=1.93)。しかし、Mspl-DRBのRFLPの検討ではDR4に特異的と考えられる3.68Kb、1.76Kbのバンドの組み合わせ(Histocompatibility Testing 1987)が63%にあたる16人の患者に認められ、この結果を合わせると5%の危険率で有意の相関が得られた(x^2=4.38)。また、ホジキン病へのendogenous retro virusの関与を調べるためにmulticopy型endogenous retro virus λ4-1をプロ-ブとして用い、得られたRFLPを健常人と比較検討したが、今までのところ有意な差は見られていない。今後は、症例数を増やし今回の結果を確実なものにするとともに、DP抗原をはじめとして多くの遺伝領域のRFLPを複数の制限酵素により調べホジキン病との関連について更に詳しく検討し、疾患感受性遺伝子の同定に至りたい。また、endogenous retro virusの関与についての検索も続けて行いたい。
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