研究課題/領域番号 |
01570197
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
大朏 祐治 高知医科大学, 医学部, 教授 (30136387)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | HTLV-I / HLA-D / T cell receptor / T cell antigen / Lymphocyte / Immunohistochemistry / Immunoelectron microscopy |
研究概要 |
ウサギ・ラットではウイルスを大量に産生するproducerは得られず、ハムスタ-に関してもproducerは得られていないことから、今回はヒトリンパ球を中心に検索を行った。用いた細胞は、HTLV-IのproducerであるMT-2、抗HTLV-I抗体陽性キャリア-のリンパ球、ヒト由来長期培養T細胞株Molt-4とTALL-1、対照としてのウサギのHTLV-Iトランスフォ-マントを用いた。検索したリンパ球マ-カ-において、MT-2細胞は、CD3^-、CD^<5->であったが、CD^<4+>で且つHLA-D抗原^+、CD^<25+>であった。CD^<3->、CD^<5->、CD^<4+>の所見は、MT-2と同様の長期培養T細胞株でウイルス産生をみないMolt-4ではCD^<3+>、CD^<5+>であり且つCD^<4+>であること、更に一般にHTLV-I産生細胞ではCD3、CD5のマ-カ-が脱落し易いことを考え併せると、HTLV-I産生細胞では特異的にCD3、5が長期培養によって脱落した可能性が示唆され興味深い。HTLV-Iキャリア-の新鮮リンパ球ではCD3は陽性であり、今後培養によるウイルス産生に伴う抗原性の変化も検索する必要があると考えられる。ウサギリンパ球は、検索したヒトリンパ球抗原はすべて陰性であった。ペルオキシダ-ゼ法を用いた免疫電顕による検索では、特にT細胞受容体のβ鎖を認識する抗体βF_1がMolt-4やHTLV-Iキャリアの新鮮リンパ球の核膜や粗面小胞体に局在して特異的に免疫反応が観察され、CD3は表面のみに発現していることが確認された。他のヒトHTLV-I producerについても今後検索する必要がある。更にIL-2受容体についても、Molt-4は、MT-2とは対照的に陰性であり、CD^<3+>、CD^<5+>更にβF_1^+という結果も合わせ同じ長期培養T細胞株でありながらHTLV-I産生の有無によると思われる差異が認められた。これらの点についてもHLA-D抗原発現との関連において更に検索する予定である。
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