研究課題/領域番号 |
01570205
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
榎本 克彦 札幌医科大学, 医学部(病理学), 助教授 (20151988)
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研究分担者 |
服部 淳夫 札幌医科大学, 医学部(病理学), 助手 (90208538)
森 道夫 札幌医科大学, 医学部(病理学), 教授 (00045288)
池田 健 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40202890)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 上皮・間葉互作用 / co‐culture / 発癌過程 / gap junction / tigeht junction / 発癌プロモ-ション過程 / 細胞接着装置 / ギャップ結合 / コネクシン32 / 肝芽腫細胞 / 分化誘導 / 乳癌細胞 / 造腫瘍性 / 初代培養肝細胞 / 培養肝癌細胞 / 血管内皮細胞 / 上皮・間葉相互作用 / 分化 |
研究概要 |
1.上皮細胞と間葉系細胞のcoーcultureによる相互作用の解析 ラット培養肝細胞と血管内皮細胞をco‐cultureすると、正常肝組織に類似する構築を示し肝細胞の形態や索状配列が2週間以上維持された。また、毛細胆管様構造の速やかな出現や細胞間コミュニケ-ションの速やかな回復が認められ、血管内皮細胞との接触が培養肝細胞の分化形質の発現と維持に重要であることが示された。 肝癌細胞株HuH7,肝芽腫細胞株HuH6を用いて内皮細胞および線維芽細胞とのco‐culture実験を行なった。HuH7には内皮細胞との接触による分化誘導は認められなかったが、co‐cultureにより内皮細胞の誘導がみられた。このことからHuH7が内皮細胞増殖因子を産生している可能性が示された。一方、HuH6と線維芽細胞BALB3T3をco‐cultureするとc‐AMP処理と同様desmosomeやgap junctionなどの細胞接着装置の再構成と細胞間コミュニケ-ションがみられ、HuH6の分化形質の誘導がおこることが示された。 2、発癌過程における細胞接着分子の変化 細胞間の認識制御機構を研究する上で、細胞間接着分子についての解析が重要である。gap junctionは細胞間コミュニケ-ションに極めて重要な役割を果している接着装置である。肝細胞のgap junctionを構成しているコネクシン32(C×32)蛋白の細胞質ドメインのペプチドを合成し、これに対するC×32特異抗体を作製した。さらに毛細胆管膜成分を抗原としてtight junctionを認識する単クロ-ン抗体を作製した。これらの抗体を用いてdiethylnitros awine投与により誘導したラット前癌肝病変,肝癌病変における接着装置の変化について検索した。いずれの病変でもこれらの接着装置の減少と局在の変化が認められた。したがって、発癌過程では少なくとも接着装置を介する細胞間の認識制御機構に異常のあることが示唆された。
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