研究課題/領域番号 |
01570259
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
斎藤 泉 国立予防衛生研究所, 腸内ウイルス部, 主任研究官 (70158913)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | クロ-ン化ベクタ- / シャロミド / B型肝炎ウイルス / C型肝炎ウイルス / PCR法 / ウイルスゲノム |
研究概要 |
極微量のウイルスゲノム・cDNAのクロ-ン化を目的として、一連のシャロミドベクタ-(ラムダファ-ジベクタ-と同等のクロ-ン化効率を持ちながら、大きさや構造を自由に改変できるコスミドベクタ-)を作製した。まず一本の肝組織針生検から抽出したDNAの一部、わずか5マイクログラムからB型肝炎ウイルス(HBV)ゲノムの全長をクロ-ンできるシャロミドSを開発した。このベクタ-は制限酵素SalIをクロ-ン化部位に持ち、XhoIで直鎖状にしたHBVゲノムを選択的にクロ-ン化できる特徴を持っている。それにより肝炎患者針生検組織から、このウイルスがコ-ドする逆転写酵素を発現すると思われる新しいHBVRNAの同定に成功した。またさらにこのベクタ-に改良を加えたシャロミドSBを開発した。このベクタ-は、制限酵素SnaBIをクロ-ン化部位に持ち、平滑末端にしたほとんど全てのDNA断片を選択的に(すなわち、インサ-トを持った組換え体のみが大腸菌のコロニ-を作るように)クロ-ン化することができる。これを用いて、タイ国のHBV保因者の血清のわずか1m1からHBVゲノムの全長のクロ-ン化に成功した。この場合、クロ-ン化に用いたXhoIで直鎖状にしたHBVゲノムは再びXhoIを用いて切り出せる点が、シャロミドSよりも優れている。またこのシャロミドSBは、特にPCR法により増幅されたC型肝炎ウイルス(HCV)のcDNAのクロ-ン化にきわめて有用であることが示された。これらのベクタ-の使用法が確立されたことにより、微量のウイルス遺伝子のクロ-ン化がより容易に出来ることになった。
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