研究課題/領域番号 |
01570262
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
岡本 尚 国立がんセンター研究所, ウイルス部, 室長 (40146600)
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研究分担者 |
OKAMOTO Takashi National Cancer Center Res. Inst., Virology Division, Section Head. (40146600)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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キーワード | ヒト免疫不全症ウイルス(HIV) / 後天性免疫不全症候群(AIDS) / Tat / Rev / アンチセンスRNA / レトロウイルスベクタ- / ヒト免疫不全症ウイルス |
研究概要 |
ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)は後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイルスであるが、この疾患が致死的であるのは、本来ウイルスを個体から排除するのに中心的な役割を持つCD4陽性リンパ球がHIVに感染し死滅するからと考えられる。本研究ではAIDS治療を目的としたHIV感染抵抗性リンパ球を樹立するための基礎研究を進めている。 まず、ヒトCD4陽性細胞株MOLT4を用いてHIV制御遺伝子TatとRevのアンチセンスRNA発現プラスミド導入の効果を調べた。強力なプロモ-タ-であるメタロチオネインの遺伝子でDモ-タ-の下流にHIVプロウイルスに由来するTat(および重なり合って存在するRev遺伝子配列の一部)遺伝子を逆向きにつないだプラスミドを作製した。このプラスミドをMOLT4細胞に導入するとTatによるHIV・LTRからの遺伝子発現のトランス活性化が中和されることがCAT検定法により示された。次いで、このプラスミドを組み込んだMOLT4細胞を樹立したが、細胞の生存率が低くHIV抵抗性の有効な評価はまだ得られていない。 これらの実験と並行して、より効率良くTatアンチセンスRNA発現能を細胞に賦与するために、レトロウイルスベクタ-を用いた発現ベクタ-を構築した。上記プラスミド同様このベクタ-もTatのみならずRevに対するアンチセンスRNAを発現し得る。ベクタ-内にネオマイシン抵抗性遺伝子が存在するので、アンチセンス発現細胞の選択が容易となった。このベクタ-を用いて樹立したアンチセンスRNA発現細胞(T細胞およびマクロファ-ジ)につき、HIV感染に対する抵抗性を調べる予定である。
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