研究課題/領域番号 |
01570267
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
末村 正樹 大阪大学, 医学部, 助手 (70144459)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | Fcεレセプタ-II / CD23 / 可溶性FcεRII / IgE / 即時型アレルギ- |
研究概要 |
従来の解析において血清中には可溶化したFcεレセプタ-II(sFcεRII/CD23)が存在し、アレルギ-患者では正常人に比し増加が認められることを明らかにした。さらにsFcεRIIとアレルギ-疾患の病態との関連を検討した結果、吸入抗原量の減少や疾患活動性の低下に伴い、血清中のsFcεRIIの有意な減少を認めた。このことは血清のsFcεRIIレベルは即時型アレルギ-の活動性の指標となることを示す。次に血清中のsFcεRIIがIgEと複合体を形成している可能性を、抗IgE抗体を用いた免疫吸収法、あるいは抗FcεRII抗体(クロ-ン3ー5)と抗IgE抗体を用いた酵素抗体法で検討した。その結果、正常人ではsFcεRIIの65%、また患者では30%がIgEと複合体を形成していることが明らかとなった。またこの複合体の同定はFcεRIIのIgEとの結合部位に向けられたMHM6抗体により阻害された。次に3ー5抗体を用いて血清を精製後HPLCで分画したところsFcεRIIの大部分は400Kd付近にIgEと結合した状態で同定された。さらに血清からの3ー5抗体精製物をPAGEで分画後western blotしたところ、3ー5抗体、抗IgE抗体いずれにも反応するバンドが高分子域に同定された。また精製物をSDS存在下で同様に解析したところ、B細胞由来のsFcεRIIと同様の20〜30Kdの分子が3ー5抗体で検出された。これらの結果は血清中におけるsFcεRIIーIgE複合体の存在を示すものであり、sFcεRIIがIgEの中和に関与している可能性を示唆する。しかし血清中の通常の濃度では、IgEに結合するsFcεRIIは理論上1%以下であり、何等かの他の分子が介在することによりsFcεRIIとIgEの親和性が高まり、高率に複合体が形成されるようになっていると考えられる。現在、そのような分子がB細胞の一部に存在する可能性を示唆する知見が得られており、解析を進めている。
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