研究課題/領域番号 |
01570299
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
三浦 悌二 帝京大学, 医学部・衛生学教室, 教授 (90082073)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 多産集団 / ハッテライト / 出生 / 出産力 / 結婚年齢 / 結婚初産間隔 / 季節性 |
研究概要 |
ハッテライト集団に関する今回の入力・検査作業の結果、母親の出生年についてはかなり確実な情報が得られたので、出生コホ-トごとの出産力の比較を行なった。結婚した女性についての生涯平均出産数は、1901-05年生まれで7.45人だったものが、1926-30年生まれの8.56人までゆるやかに増加し、それ以降は、7.28人(1931-35年)、5.93人(1936-40年)と減少していた。結婚年齢は中央値でみて、20.9歳(1901-05年)から次第に遅くなり、1936-40年生まれでは23.3歳にまでなっていた。しかしこの遅れによって説明できる産児数の減少は、たかだか1人程度であり、実際の出生数の減少はそれをはるかに上回っていた。年齢別有配偶出産率によれば、1936-40年生まれの母親でも、20歳代での率は女性1000人当り年間500前後を維持しており、少なくとも1901-05年生まれの母親と同程度の水準を維持していた。生物学的出産力の指標と考えられる結婚初産間隔でも、この1936-40年以降に生まれた母親に大きな変化は認められなかった。しかし、30歳代以降になると1936-40年生まれの母湯は30%あるいはそれ以上の有配偶出産率の低下を示していた。少なくとも20歳代では、ハッテライトは生物学的には依然として高い出産能力を維持しているものと思われた。また、ハッテライトの出生の季節変動は、今世紀前半の日本と類似して、初夏生まれが少ないパタ-ンを示していたが、その変動幅は小さく(0.9-1.1)、季節性の環境要因の影響は小さいと考えられた。やはり多産で知られていたフランス系カナダ移民については、出生数の季節変動は大きく、母親の出生季節によっても有意なパタ-ンの違いが認められた。なお、散在するコロニ-から情報を集める現在のシステムでは、体移的個人識別コ-ドの不備や報告漏れによるデ-タの不整合を、完全には克服できなかった。今後、コンピュ-タなどを活用した体系的な登録システムの整備が必要と考えられる。
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